「ボンジュール、マダム」で意識した性別 NY発日本生まれジュエリー「ミラモア」の稲木ジョージCEOに聞くジェンダーニュートラル
ニューヨーク発、メード・イン・ジャパンのジュエリー「ミラモア(MIRAMORE)」は今年5周年を迎えた。同ブランドは、立ち上げ当時からジェンダーニュートラルなジュエリーを提案している。ブランド設立時から、今トレンドのチェーンを主役にしたジュエリーを提案。ブームが再来した金継ぎをテーマにしたり、点字をジュエリーに落とし込んだり、ユニバーサルデザインを意識してジュエリーを制作している。5年前のブランド設立時には、一見女性に見える男性モデルを起用したビジュアルを打ち出した。ここ数年で、ジェンダーニュートラルな動きは広がりつつあるが、当時はまだ一般的ではなかった。稲木ジョージ=ミラモア最高経営責任者(CEO) 兼ブランドビジョネアに、ブランドおよび、ジェンダーニュートラルな動きについて聞いた。 【画像】「ボンジュール、マダム」で意識した性別 NY発日本生まれジュエリー「ミラモア」の稲木ジョージCEOに聞くジェンダーニュートラル
創業時に打ち出したジェンダーニュートラルなビジュアル
WWD:「ミラモア」をジェンダーレスなジュエリーブランドとして立ち上げた理由と目的は?
稲木ジョージ=ミラモアCEO兼ブランドビジョネア(以下、稲木):ジェンダーレスとか、ジェンダーニュートラルという概念が元々ない。小さい頃からジュエリーが好きで、高校生の時からピアスを着けていた。当時、周囲にジュエリーを着けている男性はいなかったけど、「おしゃれだね」と言われていた。コメ兵でジュエリーを販売したこともあり、そこでジュエリーの基礎を学んだ。ブランドを立ち上げた当時、メンズジュエリーというと、ラッパーが着用するようなものばかり。「クローム ハーツ(CROM HEARTS)」や「ゴローズ(GORO‘S)」がなどのゴツいシルバージュエリーが中心で、宝飾の町で知られる御徒町でオーダーした喜平チェーンなど洗練されたデザインがなかった。一方で、女性用ジュエリーは、華奢でかわいいものがほとんど。私の周りにいる女性は自立して意思を持った女性が多く、彼女たちが着けたいと思うジュエリーを作りたかった。それで、男性、女性、どちらも着けられるジュエリーにした。