「ボンジュール、マダム」で意識した性別 NY発日本生まれジュエリー「ミラモア」の稲木ジョージCEOに聞くジェンダーニュートラル
社会的許容性の広がりから広がるジェンダーニュートラル
WWD:ここ数年、日本で男性のジュエリー着用が広まっているが?
稲木:すごくいいことだと思う。最近、ネックレスでは、チョーカー、ピアスはフープを着けている男性が多い。約5年前にイタリア・ミラノでおしゃれな若い男性がそれらを着け始めた。若い人が着けているものは、どんどん広まると思う。だから、原宿や渋谷で彼らを観察してデザインに反映している。
WWD:ここ数年のジェンダー意識の変化についてどう考えるか?
稲木:私が20代の頃は、男性がバッグを持っていたら、一般的にゲイと呼ばれた。ピアスも、左、右、どちらに着けるかで属性が決められていたが、今はそれがない。ここ10年で、急速にその意識が変わった。ジェンダーニュートラルなファッションも増えているが、Z世代の男性はちょっと違う。以前は、マッチョな男性像が当たり前だったが、社会的許容性が広がり、若い世代はもっと自由だ。ソーホーに住んでいるが、Z世代ではジェンダーフルイドが進んでいる。25歳以下だと、ファッションにおける男性、女性という固定観念が崩れ、交差している。だから、男性、女性、ノンバイナリー、さまざまなジェンダーがあって、それは、各自が決めること。だから、“彼(He)や“彼女(She)”ではなく、“彼ら(They)”という呼び方が一般的になっている。
「WWDJAPAN」2024年4月8日号では、ジュエリー中心に広がるジェンダーニュートラルの波を特集している。メンズジュエリーの今のリポートを始め、Z & ミレニアル世代の4人のリアルな声を通して、ファッションにおけるジェンダーの意識を探る。Z世代で「リメルリック」のジュエリーデザインを手掛けるRENさんの記事は4月15日公開予定。