認知症の前兆は40歳前後から現れる!50代になる前に回復すべき「脳機能」の仕組みを医師が解説
1分間の耳マッサージや食事……脳機能は気軽に回復できる!
ーー40、50代からでも認知症予防だけでなく、脳を元気にすることは可能ですか? はい。70、80代の方でも機能回復が見られた方もいらっしゃいます。 脳機能を回復するためのプロセスはシンプルです。 1.脳の血流をよくする 2.脳に刺激を与えて、神経回路のネットワークをつなぐ 3.脳に必要な栄養を摂る これらの変化を与えると、本来の脳細胞の機能がまた働き出してくれます。 そんなに難しいことではなく、日常生活のなかで、ごく気軽にできることから始められますよ。 ーーでは、血流をあげるために、自分でできることはありますか? 簡単にできるのは、耳を刺激するマッサージですね。 ●1分耳たぶマッサージ 1・親指と人差し指で耳をつまみ、外側に引っ張る 2・耳をそのままはさんで、グルグル回す 3・耳の穴の前にある出っ張りを掴んでもむ 耳の硬さをほぐすように強めにもみましょう。デスクでもできるので、こまめに行うといいでしょう。 ●耳ひっぱりマッサージ 1・両耳たぶを親指と人差し指で持ち、左右に引っ張り、数秒キープ 2・今度は上に引っ張る 3・同様に下に引っ張る どれも数秒間キープすると、血流が良くなり、ポカポカするのを感じるはず。 ーー脳を老けさせない、脳のパフォーマンスを上げる食事ってありますか? 脳内のエネルギーが足りないと、脳の機能は低下してしまいます。脳が十分に機能するよう、食事から栄養素、エネルギーを摂る必要があります。 まず第一に、糖質を摂り過ぎないことです。 糖質を摂り過ぎると血糖値が急激に上がり、インシュリンが大量に放出され、血糖値の乱高下がおこります。これは血管が傷つく理由になるのと同時に、糖質を摂り過ぎると、脳内の疲労物質であるアミロイドβペプチドの分解が遅れるので、脳に疲労がたまる原因にもなります。 また、活性酸素が体内に多くありすぎても、脳細胞が傷つけられやすくなります。活性酸素を撃退するのに役立つ、ポリフェノールやビタミンCの多く含まれた緑黄色野菜、認知症予防に有効といわれる発酵カシスドリンクなども良いでしょう。 ーー逆に頭が悪くなる食事もあるのでしょうか? 常温で固まるような油は、体内に炎症を引き起こし、疲労物質を溜め込みやすくなり、脳を老化させる可能性があります。最近は飽和脂肪酸も積極的に摂る方が良いといわれています。ショートニングやマーガリンなどの人工的に作られたトランス脂肪酸は、控えめにすることを心がけるといいでしょう。 逆に常温で液体の油、オメガ9のオリーブオイルやオメガ3のDHA、EPAなどは、細胞膜の維持に役立つ働きがあり、脳や神経の働きをキープするために役立ちます。 実は脳の60%は脂肪でできているので、良質な脂質は、常に外から補充する必要があります。ココナッツオイルを原料としたMCTオイルもおすすめの油です。