南ア、財政赤字と債務が拡大へ=中期予算方針
Kopano Gumbi Tannur Anders Olivia Kumwenda-Mtambo [ケープタウン 30日 ロイター] - 南アフリカ政府は30日に発表した中期予算方針で、今後3年間に財政赤字と債務が拡大するとの見通しを示した。電力供給の改善により、経済成長の見通しは明るくなったとしている。 5月の総選挙で与党アフリカ民族会議(ANC)が過半数割れとなり、6月に連立政権を樹立後で初めての予算方針となる。本年度(2024年4月―25年3月)の連結財政赤字は対国内総生産(GDP)比率が5.0%と、2月に予想した4.5%より大きくなるとした。来年度の見通しは4.3%で、やはり前回予想の3.7%から拡大した。 ロイターが先週公表したエコノミスト調査では、本年度の財政赤字が4.4%、来年度が3.9%になると予想されていた。 政府は、特に燃料税と輸入品の付加価値税の徴収が減り、税収が打撃を被ると説明。ゴドングワナ財務相は「成長が加速せず、対外リスクにも直面しているため、税収は圧迫され続け、われわれは難しい決定を迫られる」と述べた。 総債務の対国内総生産(GDP)比率は来年度にわずかに上昇して75.5%になると予想した。 2024年の経済成長率見通しは1.1%とし、2月予想の1.2%から下方修正。25年は1.7%と、今年2月予想の1.6%から上方修正した。 南アは10年以上にわたり、国営電力会社エスコムの停電などによって経済成長が圧迫されてきた。財務省は、エスコムが計画停電を中止したことや、連立内閣樹立を受けた投資家信頼感の改善により、中期的な成長見通しは改善していると説明した。 予算方針の発表後、通貨ランドはドルに対して下落した。