【ヤマトよ永遠に】注目のライバル関係に迫る!「小野大輔×古川慎」
アルフォンが感じた古代の“重さ
――古川さんは今作の古代進をごらんになってどんな印象ですか? 古川 今、「大人になった」と小野さんがおっしゃっていましたが、僕は古代進に対してやはり激しさや熱気、躍動感を持った存在というイメージを抱いていました。それが今回、ある話数の収録で、とあるシーンの古代を見てとても重い「念」を感じたんです。それは古代自身が悩んでいることの現れかもしれないし、これまで成長してきた歴史があるからこその空気感なのかもしれないし、何なのかはわからないのですが、その重さが今後の展開も何となく想起させるし。きっと『ヤマト2199』以来12年間を生きてきた「小野大輔の古代進」の重さなんだろうなと……すみません、まだ言えることが限られているので曖昧な表現ですが(苦笑)。 小野 いや、凄く面白い話だよ。 古川 記事を読んでいる人はモヤモヤしてしまうかもしれませんが……ただ、古代とアルフォンの二人が横並びになっていることに、確かに意味は感じています。 小野 うん、モヤモヤしていいんだよね。モヤモヤして当然、だってオレもそうだし、古代だってわからなくてモヤモヤしているんだから(笑)。今の古川君の話が的確だなと思ったのは、今回は(古代が)重苦しいんですよ。 古川 ああ……。 小野 それは雪のことももちろん、今はまだ言えない他の重い葛藤も抱えていて、ずっと悩んで自分の中に溜め込んでいるから。実際、そういう気持ちで演じているし、ある意味ではちょっと「気持ちよくはない」部分もある。それが福井さんの「どん底に墜ちてもらいます」という言葉の意味なのかな、と。そういう僕のお芝居から、アルフォンとして古川君が「重さ」を感じ取ってくれているのだとしたら、まさに今の古代はそういう状況にいる。だから、とても的確な指摘だと思いました。 古川 良かった(笑)。ありがとうございます。 小野 ああ……このモヤモヤも、早く晴れてほしい(笑)。 ――では最後に、上映開始を待つファンへのメッセージをお願いします。 小野 第一章を劇場でみなさんにお届けできるということで、スタッフはものすごい時間と手間をかけて作品を仕上げてくれています。(作画の)枚数もかけているし、描き込みも半端ないし、これでもかと動く。アフレコ時は正直、全ての絵が完成しているわけではないのですが、劇場で観るとファンのみなさんと同じように僕らも感動します。「ああ、こんなに素晴らしい艦に乗っているんだ」と誇りに思います。日本のアニメーションはこんなに凄いんだということを、今回の新しい『ヤマト』でまた存分に感じていただけると思いますので、期待していてください! 古川 僕は新参者なので、みなさんに受け入れていただけたらいいなという気持ちがまず第一です。まだアフレコが全話終わっていないので、僕らも結末まではわかりません。ただ現時点で言える範囲でも、往年のファンの方々も確実に「違う形」で楽しんでいただけることになると思います。以前の『ヤマトよ永遠に』をご存知の方なら「それはそうなるよね」と納得できる丁寧な描き方がされつつ、意外と予想外の展開もするんですよ。 小野 そうなんだ? うわぁ……。 古川 きっと、新しいものに触れる気持ちで物語を楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。原作を知っていらっしゃる方も、今回のリメイク・シリーズを追い続けている方も、どちらも楽しんでいただけるので、よろしくお願いします! 【PROFILE】 小野大輔 おの・だいすけ/5月4日生まれ/高知県出身/フリー/『黒執事ー寄宿学校編ー』(セバスチャン・ミカエリス役)、『キン肉マン 完璧超人始祖編』(テリーマン役)などに出演 古川慎 ふるかわ・まこと/9月29日生まれ/熊本県出身/トイズファクトリー所属/『小市民シリーズ』(堂島健吾役)、『ブルーロック』(烏旅人役)などに出演
鈴木 雅展