「日本が大好き」…息子が“ハマス人質”に 腕に名前…「明日死ぬかも」 ガザ空爆の死者1日で700人超
相次ぐ空爆で、ガザ地区では1日だけで704人と、これまでで最も多くの死者が出ました。そのガザ地区で、空から落ちてきたのは、イスラエル軍がまいたビラです。そこに書かれていたことは――。 ◇ イスラエル・テルアビブで私たちが出会ったのは、息子のガイさんがイスラム組織ハマスに人質に取られたと話す男性です。 息子が人質の男性 「彼が(息子の)ガイです」 「息子に会いたいです。息子が恋しいです」 25日、この男性が、日本が大好きだというガイさんの部屋を、私たちに見せてくれました。壁には日本のアニメのポスターが張られ、日本の漫画もありました。 息子が人質の男性 「ガイはほんとに、日本の文化が好きなんだよ」 来年3月には、日本に旅行する予定も立てていて、日本語の勉強もしていたといいます。 息子が人質の男性 「3月に旅行を計画していたのは、桜を見たかったからだそうです。息子は日本に旅行に行って、日本の人たちと日本語で話がしたかったんだ」 ガイさんが行方不明になったのは、今月7日。ガザ地区周辺で行われていた「音楽フェス」に参加していたところ、ハマスの襲撃を受け、連れ去られたといいます。 ガイさんはフェス会場で、兄と写真を撮っていました。 人質となってから、約3週間。ハマスがSNSに投稿した映像の中に、ガイさんとみられる姿があったといいます。 その映像には、後ろ手に縛られた男性が。 息子が人質の男性 「信じられなかったです。何も考えられなかった。いまも家族の全員が打ちのめされています。食事ものどを通らず、眠ることもできません」 「ガイに伝えたい。強くいてくれ。私達は、絶対、おまえをとり戻すから」 イスラエル軍によりますと、ガザ地区には220人の人質がいるといいます。 そのガザ地区では、24日、空に舞い散る白い物体が……。 イスラエル軍が投下した、人質の情報提供を求めるビラです。 そこに書かれていたのは――。 「誘拐された人々に関する、有益な情報を送ってください」 「金銭的な報酬を約束します」 しかし、ビラを手にした住民は、破り捨てていました。 ガザ地区の住民 「こんなビラなんて、こうだ!」 「ガザにいるみんなが(イスラエルに)抵抗すると言っている」 情報提供を呼びかける一方、空爆は強まっています。 イスラエル軍は、23日から24日にかけて、400か所以上を攻撃しました。 ガザ当局は、「24時間のうちに704人が死亡した」と発表。1日の死者数としては最多です。(※24日発表) ガザ地区南部で、避難生活を送る日本人は。 ガザ地区南部に避難中 国境なき医師団 白根麻衣子さん 「昨晩は20分に1回…空爆の音が昼夜ずっと聞こえている。(ガザ地区)南部であっても、毎日毎日、無秩序に空爆であったり煙であったり。あとはミサイルが飛んでくるところも見える」 「避難しなければいけないシーンが増えているが…避難しろと言われても、逃げる場所がない危機的状況」 こうしたなか、住民らは……腕に、自分の名前を書いていました。 ガザ地区の住民 「もしかしたら明日、死ぬかもしれない。名前を書いていなければ、(遺体が)私だとわからないかもしれないから…」 一連の武力衝突が始まってからのガザ地区の死者は6546人で、そのうち「子ども」が半数近い2704人にのぼるということです。(※25日発表)