台風21号「非常に強い」勢力で4日上陸か 気象庁は暴風への警戒呼びかけ
非常に強い台風21号は、勢力を保ったまま4日の日中に四国地方から紀伊半島に接近し、上陸する見込み。気象庁は3日午前、臨時会見を開き、「西日本だけではなく、東日本から北日本にかけて暴風が広い範囲で吹いて影響が出る恐れがある。早め早めの避難と安全確保行動を」と警戒を呼びかけた。21号の3日午前9時現在の最大風速は45メートルで、「非常に強い」勢力のままでの上陸となると、1993年の台風13号以来となる。
「93年以来」の上陸に?
気象庁の発表によると、21号は3日午前9時現在、南大東島の東海上を時速20キロで北北西に進んでいる。ただ今後は速度を早め、4日日中に四国から紀伊半島付近に非常に強い勢力を保って上陸する見込み。近畿、北陸地方を通過して4日夜には日本海に抜ける。その後、時速60キロ以上まで加速し、日本海側の沿岸を北上するとみられる。 今回の台風21号は、非常に強い勢力のまま上陸する可能性がある。3日午前9時現在、中心気圧は940ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は45メートル(最大瞬間風速は65メートル)で「非常に強い」台風(最大風速44メートル以上54メートル未満)に分類される。 気象庁によると、このままの非常に強い勢力での上陸となると、データを取り始めた1991年以降では2回あり、93年9月の台風13号以来になるという。91年9月に長崎県に上陸した19号は、上陸時の気圧が940ヘクトパスカルで最大風速50メートル、93年9月に鹿児島県に上陸した13号は、同930ヘクトパスカル、同50メートルだった。
暴風、高波、大雨に警戒
また今後、速度が上がるために、急激に猛烈な風や大雨に襲われる恐れがある。 西日本を中心に4日朝から猛烈な風が吹き、東日本でも4日昼前から、北日本では4日夜から、広い範囲で暴風が吹くとみられる。 4日までに予想される暴風は、四国・近畿地方で最大風速45メートル(最大瞬間風速60メートル)、東海・北陸・東北地方で同30メートル(同45メートル)、中国地方で同25メートル(同35メートル)、沖縄地方で同23メートル(同35メートル)、関東地方、伊豆諸島で同22メートル(同30メートル)、九州南部で20メートル(同30メートル)。 高波は、4日までに予想される波の高さは最大で、四国・近畿地方で11メートル、東海地方で10メートル、伊豆諸島で7メートル、沖縄地方、九州南部・奄美、関東地方で6メートルで、海では猛烈なしけに注意が必要になる。 大雨については、4日午後0時までの24時間の雨量の多いところで、四国・近畿地方で200~400ミリ、5日午後0時までの24時間雨量では、東海地方で300~500ミリの大雨になる恐れがある。
特に暴風、高波、高潮に警戒を
会見した気象庁の黒良龍太主任予報官は「大雨は当然だが、特に風と高波、高潮に警戒していただきたい。猛烈な風では、トラックが横倒しになったり、広い範囲で停電になったりする。倒木が道路や線路を塞いだりする交通障害にも留意する必要ある」と注意を喚起。 各地の気象台が発表する警報・注意報や、気象庁サイトで発表する危険度分布、市町村の避難勧告などの情報をもとに、早め早めの避難と安全確保を呼びかけた。 《危険度分布(気象庁)》 ・土砂災害警戒判定メッシュ情報 ・洪水警報の危険度分布 ・大雨警報(浸水害)の危険度分布 ・雨雲の動き(高解像度降水ナウキャスト)