ゆっくり前進を続ける溶岩 世界最大の露天風呂に向かう
レイキャビク、アイスランド、6月10日 (AP) ― アイスランド南西部のレイキャネス半島で噴火が起こって以降、流れ出した溶岩が道路を横断し、ゆっくりだが沿岸部の町グリンダビークと、世界最大の露天風呂ブルーラグーンに向かっている。 5月29日の噴火以降火山は安定しているが、この噴火は昨年12月に800年ぶりに火山システムが再活動して以降、5回目で最も強力なものだった。 溶岩を観測している専門家によると、これ以前の2度の噴火に比べると、溶岩の速度は大分遅いという。 道路は町から数キロの辺りで、今年の2月と3月に同じ場所が切断されたが、その度に修復され、再開された。 溶岩の速度が遅いことで、グリンダビークに差し迫った危険ではないと判断され、住民避難の対象にはなっておらず、東側か西側から町に入ることは可能だという。 首都レイキャビクの50キロ南西に位置するグリンダビークは、昨年12月18日の最初の噴火に先立つ11月の群発地震で、避難を余儀なくされて以来、火山の脅威にさらされてきた。その後の噴火で、数カ所の防御壁が破壊され、建物数棟が焼失した。 この地域はスバルツェンギ火山システムの一部であり、800年近く休火山であったが、昨年12月から3月まで毎月連続噴火しており、今回が5回目となる。 北大西洋の火山ホットスポットの上に位置するアイスランドでは、定期的に噴火が起きており、最近で最も破壊的だったのは、2010年のエイヤフィヤラヨークトル火山の噴火で、巨大な火山灰の雲が大気中に噴出し、ヨーロッパの空域が広範囲に閉鎖された。 (日本語翻訳・編集 アフロ)