アクアラインは昼1600円・夜400円に、下りにも変動制導入…分散効果薄れて料金「幅」拡大
昼間は1600円、夜は400円――。アクアライン(全長15・1キロ)で来年4月、こうした料金制度が始まる見通しとなった。千葉県や国土交通省、東日本高速道路(ネクスコ東日本)などでつくる「東京湾アクアライン交通円滑化対策検討会」は3日、時間帯によって通行料金を変える「ロードプライシング」の変動幅を拡大する方針を確認した。価格差を大きくし、交通量の分散や渋滞緩和につなげる狙いだ。(森礼加) 【写真】東京湾アクアライン付近で、クジラが目撃される
アクアラインでは現在、社会実験として上り線(川崎市方面)で土日と祝日、ロードプライシングが実施されている。自動料金収受システム(ETC)搭載の普通車の料金は、600~1200円の幅で設定されている。
検討会が示した案によると、新料金は土日と祝日の上り線で、〈1〉午前0~4時、午後8時~午前0時が400円〈2〉午前4時~午後1時、午後7~8時が800円〈3〉午後1~7時は1600円――となる予定だ。
下り線(木更津市方面)は現在、時間帯に関係なく一律800円だが、来年4月からロードプライシングを導入する。料金は〈1〉午前0~4時が400円〈2〉午前4~5時、午前7~0時が800円〈3〉午前5~7時は1000円――となる。
急激に値段が上下するタイミングをなくすため、上りの午後7~8時と下りの午前4~5時の各1時間は800円とする。「緩衝価格」との位置づけだ。アクアラインにつながる一般道などに値下げ待ちの車が滞留することや、値上げ前の駆け込み利用による混乱を防ぐ狙いだ。
ロードプライシングを巡り、検討会が変動幅の拡大や下り線への新規導入の方針を決めたのは、社会実験の当初に比べ、交通分散の効果が薄れてきたためだ。
社会実験は2023年7月に始まり今年で2年目。全体の交通量が増えた事情もあるが、上り線では午後5~8時頃、社会実験1年目の夏季より2年目の夏季の方が交通量が増えた。午後5~8時頃は、現状の料金で最も高い1200円の時間帯に含まれる。