【年金の裏側】8月支給の「厚生年金」と「国民年金」から引かれる4つの費用とは?
老後に受け取れる年金ですが、実際の手取り額についてご存知でしょうか。 年金額からは税金や保険料などが天引きされるため、額面通りの金額を受け取ることはできません。 ◆【年金の一覧表】年金にかかる4つのお金。天引きにならない人もいる?公的年金の仕組みをおさらい&厚生年金と国民年金の平均受給額をチェック ニュース等で目にする年金額は、これらの控除を考慮していないことが多いため、そのまま信じてしまうと老後の生活設計に大きな影響が出る可能性があります。 そこで今回は、公的年金から引かれる税金や保険料について詳しく解説します。 これを理解することで、老後の資金計画をより現実的に立てることができ、安心して暮らせる老後の準備が整うでしょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【厚生年金と国民年金】公的年金制度の仕組みを徹底解説
公的年金制度について改めて理解しておきましょう。日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。 ●国民年金(老齢基礎年金) 日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が加入するのが国民年金(老齢基礎年金)です。 ・保険料:一律で、2022年度は月額1万6590円、2023年度は月額1万6520円となっています。 ・受給額:40年間保険料を支払うことで、満額の年金を受け取ることができます。ただし、未納や保険料免除の期間があると、その分年金が減額されます。 ●厚生年金(老齢厚生年金) 公務員や会社員などは、国民年金に加えて2階部分の厚生年金にも加入します。 ・保険料:収入によって異なり、給与から天引きされます。 ・受給額:加入期間や支払った保険料に応じて決まるため、個人差があります。 日本の年金制度は国民皆年金であり、全員が年金に加入しています。しかし、実際に「額面」として受け取れる金額はどのくらいなのでしょうか。 次章では、具体的な受給額について詳しく見ていきましょう。
「厚生年金」の月額平均はいくら?男女差は約6万円
ここからは、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の実際の受給額をチェックしていきましょう。 厚生年金の受給額には、基礎年金である国民年金の部分も含まれています。 ●厚生年金の平均受給月額 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ※国民年金部分を含む ●厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 厚生年金は現役時代の収入によって保険料が決まり、その額に基づいて年金額が計算されるため、個人差が大きいのが特徴です。 しかし、ここで注意が必要なのは、男女間での受給額差が約6万円もあるという点です。この差は、男女の賃金格差や雇用形態の違いによるものとされています。 女性の方がパートタイムで働く割合が高いことや、育児や介護で働く時間が制限されることが影響しているのかもしれません。 では、男女差が少ない国民年金についても触れておきましょう。 後半では、「年金から引かれる4つのお金」について解説します。年金受給額を把握するだけでなく、引かれる費用についても理解しておくことで、実際の生活設計がしやすくなります。 最後までご覧いただき、安心した老後を迎えるための一助になれば幸いです