趣里主演・異色のリーガルドラマ『モンスター』誕生秘話「トラブルの理由をあえて曖昧に描く意味」
現在放送中のドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)。弁護士の主人公・神波亮子(趣里)がアイドルの歌詞盗作や精子提供といった多種多様な依頼を、どこかゲーム感覚で立ち向かう姿を描いたオリジナル脚本のリーガルドラマだ。依頼を解決して「はいそれで終了」とはならず、依頼人の人生はまだまだ続くことを示すヒューマンドラマ的な側面も持った内容となっている。前衛的かつ真新しいリーガルドラマ『モンスター』がどのように制作されているのかなど、プロデューサーを務める加藤春佳氏に話を聞いた。 【別カット5点】名コンビの亮子(趣里)と杉浦(ジェシー)の息の合った掛け合いも見どころのドラマ『モンスター』 まず本作誕生の経緯について「脚本を務める橋部敦子さんがこれまでリーガルドラマをやったことがなく、『橋部さんが描くリーガルドラマを見てみたい』『初挑戦だからこそ面白ものができるのでは?』という考えが背景にあります」と説明を始める。 「『法の下の平等』という言葉がありますが、橋部さんは『法を上から見る・俯瞰しているキャラクターがいても良いのでは?』『そういうキャラが描けるのであれば、これまでにない新しいリーガルドラマが制作できるのでは?』と話しており、その流れで神波亮子が生まれました。 亮子はお金のために働いているわけでも、かといって確固たる正義があるわけでもない。得体の知れない弁護士が依頼に挑んでいくリーガルドラマはあまりなく、この辺りは差別化につながると考えました。趣里さんにも『何を考えているかわからない』『だけど何を考えているのかを知りたい』と思わせるように演じてもらっています」 また、亮子の衣装についても言及する。加藤氏は「1つ亮子には明確なルールがあって、それは“基本的に手ぶら”というもの。『スマホ一台あれば資料を持ち歩く必要はないでしょ?』と考えているため、スマホと名刺くらいしか持ち歩かない。なので、亮子のポケットがある衣装を選ぶことが多いです」と話す。 続けて、「リーガルドラマというよりはヒューマンドラマとしての側面も強調しました。『亮子が依頼に至った経緯や被告との関係性など、依頼人に対してどのような視線を向けているのか』を通して、依頼人をはじめ周囲の人間の人生にいろいろ思いを馳せられるように意識しています」と語った。