正社員ですが月給は「手取り8万」です。生活が苦しいので生活保護を検討していますが、受給するには仕事は辞めないといけませんか?
生活が経済的に厳しいときに頼りになるのが「生活保護制度」です。しかし、生活保護制度を利用するには、一定の要件を満たさなくてはなりません。そこで本記事では、月給が「手取り8万」の正社員を例に挙げて、会社に勤めたまま生活保護制度を利用できるのかどうかを解説します。あわせて、生活保護の概要も紹介します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
生活保護とは?
厚生労働省によると、生活保護制度は「健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長すること」を目的とした制度です。ただし、最低限度の生活を維持するため、世帯員全員が次に挙げる項目を活用することが前提です。 ・預貯金や、生活に使っていない不動産、土地があれば売って生活費用に充てる。 ・働けるようであれば働く。 ・年金や他の制度の給付を活用する。 ・親族などの扶養義務者に扶養してもらう。 生活保護の申請が通ると、生活保護費が支給されます。ただし、支給額は、地域や世帯の状況、収入によって異なります。収入があっても、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費よりも低い場合は、生活保護を受けることが可能です。 その場合の支給額は「(厚生労働大臣が定める最低生活費)-(収入)」になります。例に挙げた会社員は、月給が「手取り8万」です。 よって、会社をやめなくても「(厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費)-8万円」分が生活保護費として支給されることになります。ただし、預貯金や不動産、土地があれば売却しなければなりませんし、親族などの援助が受けられるようであれば、受けなくてはなりません。
生活保護を受けるためには?
生活保護を受けるには、まずは家の近くの福祉事務所に出向き、生活保護担当に事前相談をするようにしましょう。その際、生活保護制度の説明を受け、「生活福祉資金」や「各種社会保障施策」などの検討を行います。 生活保護を申請すると、「ケースワーカーの家庭訪問による生活状況の把握」「預貯金・不動産・保険などの資産調査」「扶養義務者による仕送りなどの援助の可否調査」などが行われます。これらの調査の後、生活保護の申請が通ったら、毎月生活保護費が支給されるのです。 ただし、支給してもらっている間は、毎月収入の状況を申告しなくてはなりません。また年に数回、福祉事務所のケースワーカーが自宅訪問をして、生活の実態調査を行います。
仕事をしながら生活保護を受けることは可能
会社で働いていても、厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費より収入が低い場合は、生活保護を受けることが可能です。 例に挙げた会社員の場合は、「(厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費)-8万円」分が生活保護費として支給されることになります。ただし、生活できないような収入であれば、転職も視野に入れてみるとよいでしょう。 出典 厚生労働省 生活保護制度 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部