未だ人気モノ、スズキ「ジムニー」唯一無二の軽本格オフロード4WDはどのようにして生まれたのか【歴史に残るクルマと技術038】
スズキのジムニーが誕生した1970年は、どんな年
1970年には、ジムニーの他に日産自動車の「チェリー」も登場した。チェリーは、日産初のエンジン横置きのFFモデルで、個性的なスタイリングと一般的なFFレイアウトでなく、イシゴニス式FFレイアウトを採用した革新的な大衆車である。 その他、日本初の人工衛星「おおすみ」が打ち上げに成功、日本初の国際博覧会の大阪万博(Expo’70)が開催、よど号ハイジャック事件が発生、日本の呼称が“ニッポン”に統一された。ちょうどこの頃、都市部で光化学スモッグが頻発するようになり、自動車による排ガス公害が社会問題化し排ガス規制強化の動きが高まった。ビートルズが解散し、トミーの「トミカ」が発売、ケンタッキーフライドチキンの日本1号店が名古屋にオープンした。 また、ガソリン54.5円/L、ビール大瓶142円、コーヒー一杯95円、ラーメン100円、カレー150円、アンパン25円の時代だった。 軽自動車でありながら悪路走破性に優れた本格的なオフロード4WDという、新たなジャンルを切り開いた「ジムニー」。50年以上経った今も世界中で愛され続けている、日本の歴史に残るクルマであることに、間違いない。
竹村 純