障害持つ妹の世話で部活を休みがちに、陰口はエスカレートしていき…教育系ユーチューバー・葉一の過去
小学生から高校生向けの授業動画を配信し、「教育系ユーチューバー」の先駆け的存在として知られる葉一さん(39)。幼い頃から勉強が得意だったのかと思いきや、むしろ体を動かすことの方が好きなスポーツ少年だったという。(読売中高生新聞編集室 塩島祐子)
宿題は面倒だった
「生まれは福岡県なのですが、父親の転勤で引っ越しを繰り返し、小学校に入る少し前から群馬県で暮らしていました。住んでいた地域はドッジボールがさかんで、小学校では休み時間になると男女みんなでドッジボールに明け暮れていましたね。
もう一つ、私が熱中していたのがバスケットボールです。当時はバスケ部の高校生たちを描いた『スラムダンク』のアニメが放送されていて、大人気でした。私も大好きで見ていたし、友だちから漫画も借りて読みました。心に響く言葉もたくさん出てきて、いまでも『人生のバイブル』だと思っているほど影響を受けましたね。スラムダンクがきっかけでバスケ自体にも興味を持ち、友だちと一緒に夢中でやっていました。
一方で、勉強は特別好きではなく、宿題も『面倒くさい…』と思っていたくらい。体を動かすことの方が楽しい時期でした」
中学では体操部に入るが、家庭の事情で練習を休まざるを得ないことが多かった。そして、それをきっかけに、つらい日々が始まる。
「最初はバスケ部に入ろうと思っていたのですが、顧問の先生と考え方が合わないと感じていました。友だちの誘いもあって、体操部に入ることにしました。
でも、特に土日は練習に出られないことが多く、他の部員から『サボっている』と陰口を言われるようになります。というのも、私には障害を持つ妹がいて、共働きの両親が忙しいときは、代わりに面倒を見ていたんです。顧問の先生には説明していたものの、部員たちは事情を知らなかったんですね。だから、陰口はどんどんエスカレートして、私は部活に行きづらくなってしまいます。結局、1年ともたないで退部してしまいました」