中国、血を売る若者らが後絶たず 息子亡くした父の告発で発覚
「19歳で逝った息子に正義を」。中国で数千円の報酬のために短期間で売血を繰り返した男性が今年1月に急死した。父親が、関与した国有系の企業を告発して発覚、波紋が広がった。習近平指導部が「貧困脱却」を達成したと誇る中、売血に手を染める若者らが後を絶たない。 死亡した男性の知人は、男性が「金に困って仕方なく」売血したと証言した。男性は居住する集落から約110キロ離れた山西省忻州市中心部にある国有製薬大手、中国医薬集団(シノファーム)傘下企業を仲介者の車で訪問。昨年5~12月に計16回にわたり特定タンパク質を抽出した血漿を提供。報酬として1回につき260~300元(約5700~6600円)を受け取ったとされる。 中国は採取した血液の売買を禁じている。 男性が重度の貧血で亡くなった後、携帯電話に残された仲介者とのやりとりから売血を知った父親は企業を告発。地元の衛生当局が調査を始め、営業停止となった。
2013年以降、組織的不法売血罪で実刑判決を受けた例は少なくとも400件を超える。(忻州共同)