経営危機サガン鳥栖・竹原社長が謝罪と涙の誓い「クラブ消滅、降格ない」…なぜ100人緊急サポミーティングは荒れなかったのか?
最近でもルイス・カレーラス監督のもとで泥沼にあえいだ昨年4月や、シーズンが残り5試合となった土壇場でマッシモ・フィッカデンティ監督を電撃的に解任した2018年10月などに急きょ開催。竹原社長との間で質疑応答が繰り返された末に、最後は勝利へ向けて一致団結している。 いずれもネガティブな報道が相次ぎ、実際にトップチームの不振や指揮官の交代、今回の赤字計上など、苦境に立たされた矢先のタイミングで常に開催。J2時代の2011年5月から現職を務める竹原社長が真正面から対応してきた。広告料収入が大幅に落ち込み、一方で人件費がかさんだ末に計上された20億円超の赤字に対しても、自らが立てた経営戦略が現実と乖離していたと素直に非を認めた。 「J1で戦うために背伸びをして、ご心配をおかけした事実を見つめて今後につなげたい。人件費を削って、みなさまからよく言われる身の丈に合った経営で確実な未来を築けるようにしたい」 20億円超という赤字額が独り歩きしている今回だが、イコール、借金ではない。純資産は約2151万円を計上し、一発でクラブライセンスが剥奪される債務超過状態は回避している。 増資をしたと説明した竹原社長だが、その詳細は明かさない。同社長が個人資産で補填した可能性も捨てきれない。 その上で今年度予算を、身の丈に合った形で編成した。経営を圧迫していた人件費は、前年度に比べて半分以下となる11億6900万円を計上。トータルで1200万円の黒字となり、同じくクラブライセンスを剥奪される3期連続の単年度赤字を回避する予算を、1月下旬の決算時に編成している。 直後から新型コロナウイルスが猛威をふるい続ける非常事態下で、7億9000万円を見込んでいる入場料収入は激減する恐れがある。2008シーズンから胸スポンサーを務めてきたDHCが撤退しながら、それでも前年度から約1億4000万円増の9億5500万円を計上している広告料収入も、新規で内定している数社との正式契約および発表が新型コロナウイルス感染の影響で延期になっている。 ミーティングで資金がショートする可能性の有無を問われると、竹原社長は「本年度はやっていけると思っている」と答えている。