加齢に伴う変化が原因の場合も 7才以上のシニア猫に多い困りごと・対処法
飼い主さんを悩ませる猫の困った行動。シニア猫の場合は、加齢に伴う体の変化が原因になっているケースもあります。そこで今回は、7才以上のシニア猫に多い困りごとと対処法、シニア猫の困りごととの向き合い方について、獣医師の村田香織先生にお話を伺いました。 【写真】遊んで欲しそーなポーズしているスコティッシュフォールド
シニア猫特有の困りごと事情
愛猫の困りごとに直面したとき、シニア猫の場合は、加齢に伴う体の不調や病気が原因になっている場合があるため、その可能性を考えてみることが大切です。例えば、お手入れ嫌いや粗相、噛む行為の背景には、もしかしたら外見ではわからない痛みを抱えているからかもしれません。 また、若い頃よりも体力が落ちているため、シニア猫の行動に適した環境になっているか見直すことも重要です。猫の行動ニーズが満たされることで、困りごとが解消されることも少なくありません。
粗相をする
猫の粗相の原因として考えられるのは「病気」「トイレへの不満」「スプレー行動」「ストレス」などで、獣医師と相談しながら原因を探ることが大切です。原因が不明な場合でも、快適なトイレを用意することで粗相が改善する場合もあります。また、粗相をする場所に柵を設けるなどで物理的に猫が立ち入れない状態をつくるのも手です。
夜中や明け方に鳴く
猫が夜中や明け方に鳴く原因はさまざまあり、体の不調、分離不安など原因に応じて対処する必要があります。同時に、日光浴、おもちゃで遊ぶ、ブラッシング、満腹で眠れるよう夜ゴハンを多めにするなど、昼の活動時間を増やして夜に眠れるようバイオリズムを整える工夫も重要です。
食が細くなった
食が細くなった場合は原因が病気であるケースも考えられるので、一度動物病院を受診することをおすすめします。その際、体格チェックもしてもらいましょう。シニア猫は加齢に伴う消化機能の低下によって食が細くなることもあります。また、猫の食事量には個体差があるので、食事量が標準と違っても体重の増減や体格に問題がなければ、とくに心配ないでしょう。
同居猫とケンカする
猫は人や犬のように社会性が高い動物ではないので、相性の悪い相手と折り合って暮らすことは難しいです。ほかの猫とケンカになる状況が決まっているなら、まずはその状況をつくらないことが大切。ケンカの予測ができず繰り返し起こる場合は、別々の部屋に完全に分けて生活させることも検討しましょう。 シニア猫の困りごとには、体の不調や病気が隠れていないか見極めること、シニア猫の行動に適した環境づくりが大切です。シニア猫の飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。 お話を伺った先生/村田香織先生(もみの木動物病院副院長 獣医師 イン・クローバー代表取締役) 参考/「ねこのきもち」2024年10月号『各年代で多いのは? 子猫 成猫 シニア猫 猫の困りごと相談室』 文/寺井さとこ ※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。 ※記事と写真に関連性がない場合もあります。
ねこのきもちWeb編集室