武居由樹がバンタム級での世界王座獲りへ「心の準備はできている。いつでもできるように日々節制」
元K-1WORLD GPスーパーバンタム級王者でボクシングの前東洋太平洋スーパーバンタム級王者・武居由樹(大橋)が12月26日、バンタム級での世界獲りを改めて誓った。 武居はこの日、井上尚弥とマーロン・タパレスの「WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦」が行われた東京・有明アリーナで54.5キロ契約でマリオ・ディアス(メキシコ)と対戦し、2Rに左ボディー一発でKO勝ちを収め、プロ戦績を8戦8勝(8KO)とした。ディアスはマウスピースを吐き出し、悶絶する強烈な一発だった。 試合後に行われた会見で武居は「まだ体重的にバンタムでできてないのでなんともいえないが、でもスーパーバンタムの時より調子が良かった気がする。ここから本格的にバンタム級でやっていくのかなと思う。スーパーバンタムのときは感覚で減量していた。ただ普段の体重から水を抜いて終わりというような感じでやっていた。それで試合直前もあまり動けなかったりしたが、八重樫さんに聞いてちゃんと減量したら最後まで動けたし調子もよかった。体が重い時もあまりなかった」とバンタム級での戦いでの手応えを口にした。 とはいっても前回の7月の試合では54.0kg契約、今回は54.5キロ契約。バンタム級は53.52kgでまだその体重では戦っていないのだが「バンタムでやれます!」と自信を見せた。次戦でも?と問われた際には「前回はバンタムに落とすつもりで減量して、計量当日はほぼバンタムだった。水を飲んでから計量した。今回もそうで、予備計量でだいぶ余裕があって、ちょっと水を入れてぴったりに合わせた。みんなが心配するほど…“心配しなくても大丈夫ですよ”という感じです。あとは、バンタム級がいつ来てもいいように日々節制というか、節制しつつ頑張っていきたい」とも語った。
ジムの大橋会長も「来年はバンタム級での世界戦を考えたい」と語るように、世界王座挑戦の可能性が高まっているのだが「心の準備は“いつでも行けるぞ”とは思っている。だけど、心ができているだけで、技術とかがまだ追い付いてない。気持ちはいつでも行けるけどという感じ。いつになるか分からないですけど、どんどんもっとレベルアップしないといけないんで八重樫さんと頑張らないといけないと思っています」と語ったうえで、改めて「気持ちはいつでも行けます」と力を込めた。 そして「絶対にベルトを獲るという気持ちでボクシングに挑戦しに来た。バンタム級の尚弥さんが持っていたベルトは僕も欲しいので、早い段階で獲れるようにしたい」と早期の世界王座挑戦を目標に掲げた。 トレーナーで元WBA世界ミニマム級、元WBC世界フライ級、元IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東氏は「スーパーバンタム級の時より減量はあるが、スーパーバンタムの時はいつもきついが少しまだ落とせる余地があった。それでパフォーマンスが落ちてないので、こっちのほうがいいのかなと思う」と武居のバンタム級でのパフォーマンスに期待。課題については「本人も言うように、正統派のボクサーではないと思っている。なので、武居というボクシングの形をもう少し大きくしていって、絶対的に大きなものにするというか、一つとがった武器を用意して大一番に備えたい」などと語った。