5浪で悟った「身の程」早大卒の彼が捨てた拘り 苦学の道を余儀なくされ、新聞配達を続ける
■名物講師にも顔を覚えられた 4浪目も、意地で代ゼミの早慶コースに通い、吉野敬介先生や富田一彦先生に顔を覚えられたというホリ・ホーリーさん。 「ずっと最前列に座っていましたし、先生方は『今年もいるのか(笑)』という反応でした。もう呆れられていましたね。大学に行って当たり前だと小さいときから言われ続けたので、さすがにそろそろ行かなきゃかっこ悪いとは思っていました。 でも、効率悪いやり方をしていても、勉強はずっと続けていたので、ようやく成績が伸びてきたんです。この年は偏差値60に届くくらいになって、模試でたまに明治・中央・法政あたりはD判定が出るようになりました」
「もしかしたらいけるかもしれない」と思ったこの年の入試。しかし、それでも現実は厳しいもので、早稲田・上智・立教・青学・学習院の文学部を5つ受けて全落ちしたホリ・ホーリーさん。 ついに現役生が大学を卒業し、社会人に突入する年齢になる5浪目に突入します。しかし、この歳になって、ようやく彼の目には希望が灯ってきたそうです。 「いよいよ今までやってきたことが形になってきたんです。模試の偏差値は60を超えて、早稲田でも夜間学部だった第2文学部や社会科学部でD判定がポツポツ取れていました。C判定以上は取れなかったものの、もうこの年で何とかしなきゃと思っていました」
この年は初めて文学部以外も受験します。早稲田は第1文学部、第2文学部、教育学部、社会科学部。立教・上智・学習院の文学部と、明治の文学部の1部と2部の5大学・計9学部を受験しました。 ■学費を稼ぎながらの5浪生活を終える 「5年間、受験を続けてきて、明治大学の文学部(2部)だけは手応えがありました。ほかはダメだったのですが、そこだけは受かっていて、やっと形にすることができたと思えましたね。そのあとに、早稲田大学の第2文学部の合格発表を迎えて、まあ無理だろうと諦めていたのですが、電話で『おめでとうございます、合格です』という声を聞いて呆然としました」