“町中華”の閉店が相次ぐ一方で、「餃子の王将」「バーミヤン」中華チェーンが好調のワケ
「ぎょうざ倶楽部会員」で顧客の組織化
両社ともに、今後を左右する営業基盤の盤石化に向けて、顧客の囲い込みを強化する計画だ。 餃子の王将の「ぎょうざ倶楽部会員」も確実に増加中だ。これは、支払額に応じてもらえるスタンプ25個で5%会員、さらにスタンプ25個で7%会員になれるサービスで、飲食時の料金から一部割引の特典がある。特に7%会員の数は、2018年の27.5%から2023年には52.7%にまで増やし、過去最高109.4万人(2023年度)を突破。ロイヤルマーケティングの実施で「中華といえば餃子の王将」といった組織化できた経営基盤の強さを物語っている。 一方、バーミヤンはすかいらーくのほぼ全店と共同で顧客ロイヤリティーを高めるために、自社ポイントプログラムをスタートさせている。また、共通ポイント各社と合同キャンペーンも実施して、顧客の来店頻度を高めるモチベーションにもなっているようだ。
餃子の王将VSバーミヤンの財務状態
2024年7月次売上高で30か月連続前年同月比の過去最高を更新中の餃子の王将。業績好調だが、値上げの影響はないのか直近の実績を見てみたい。 【餃子の王将の第1四半期決算】 売上/営業利益/営業利益率 2025年度3月期(4~6月):264億2100万円/24億4100万円/9.2% 2024年度3月期(4~6月):246億2300万円/24億1500万円/9.8% 今年に入り、4月~7月の直営全店の実績は次のとおりである。 【2024年4月~7月の直営全店の実績(伸び率)】 売上高/客数/客単価 2024年4月:78億5300万円(104.2%)/6820人 (102.2%)/1151円(102%) 2024年5月:82億6000万円(106.7%)/7197人(104.4%)/1148円 (102.1%) 2024年6月:80億100万円 (111.2%)/6942人(106.5%)/1152円 (104.5%) 2024年7月:82億円(105.9%)/6834人(99.0%)/1200円(106.9%) 売上、客単価は値上げの効果もあり、上昇している。その結果、過去最高の更新は続いており、30か月連続となった。しかし、4回目の値上げ後の7月度の客数だけが前年割れしているようで、今後の動向が気になるところだ。 その点は自己資本比率が約75%と財務基盤が盤石で、運営力が強固な餃子の王将である。また集客に向けたキャンペーンを実施し巻き返しを図ってくるだろう。