【日本S・今中慎二の目】DeNAは第3戦の東からの内角攻めが奏功 ソフトバンク打線がこんなに打てないとは予想できなかった
◇31日 SMBC日本シリーズ2024第5戦 ソフトバンク0―7DeNA(みずほペイペイドーム) ◆DeNA・三浦監督、怒りのマウンドならし!【写真】 敵地でこれほどムードがガラッと変わるのも珍しい。ホームで連敗したDeNAがビジターで3連勝して王手を掛けた。これで5試合連続で先取点を奪ったほうが勝利をつかんだことになる。 DeNAで特筆すべきは、際どいボール球を振らなかったこと。簡単に追い込まれてからもファウルで粘り、球を見極めて打者が不利なカウントから有利なカウントへ持ち込んでいくのだ。 4回に貴重な3ランを放った牧は、福岡に来てから2試合無安打だったが、どちらの試合でもつなぐ意識を持って四球を選んでいた。だから、安打が出ないことをそれほど気にしなくて済んだのではないか。4回は前田純の内角高め真っすぐを左翼席へ運んだ。自分のポイントで振り切った打撃ができたと思う。 一方のソフトバンクはこの3連戦で1得点だけ。ジャクソンの150キロを超える真っすぐを一度も仕留められず、狙っていないカットボールやチェンジアップを打ちにいき、それも捉えきれずに弱い打球になっていた。 こんなに打てないとは私も予想できなかった。突破口を開くには速い球を打つことだと思ったが、それができなかった。ソロアーチぐらいは出ても、連打は期待薄という印象を拭えない。 DeNA側からすると、第3戦の東から先発が要所で強い球を内角に投げていることが要因だ。捕手の戸柱のリードが光った。際どいコースにミットを構えるのではなく、アバウトに投げやすい構え方をして、ジャクソンにしても困ったら真っすぐで勝負できた。(本紙評論家)
中日スポーツ