フル参戦ラストの中上貴晶は午前のセッションで最速。逆転で王者を狙うバニャイアが初日トップ/MotoGP第20戦ソリダリティGP
11月15日、2024年MotoGP第20戦ソリダリティGPの初日セッションがスペインのカタロニア・サーキットで行われ、MotoGPクラスのプラクティスではフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムを記録した。 【写真】中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)/2024MotoGP第20戦ソリダリティGP FP1 MotoGPの最終戦は例年通りバレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで開催予定であったが、同地を襲った水害の影響を受け、急きょバルセロナに開催地を変更してソリダリティGPとして開催されることとなった。 タイGP後に左肩の手術を受けたファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)は、マレーシアGPに引き続きソリダリティGPも欠場となっており、代役としてドゥカティテストライダーのミケーレ・ピロが参戦。また、ステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)もワイルドカードで出場している。 午前のフリー走行1回目は、気温13度、路面温度14度の曇天の中ドライコンディションで行われた。セッションでは赤旗中断があったものの予定通り45分で行われ、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)が1分40秒501のトップタイムを記録した。 セッション序盤に最初にトップタイムを出したのは、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)。1分41秒976。2番手にアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)、3番手にヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)と続く。ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)は1分42秒241を記録したが、イエローフラッグ提示中のタイムであったことによりそのラップはキャンセルとなった。 5分経過時、5コーナーにてペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)とアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)が接触し両者とも転倒。これにより残り39分で赤旗が提示され、セッション中断となった。なお、5コーナーではその前にピロも転倒を喫していた。 セッションは約10分後に再開。アコスタ、フェルナンデス共にセカンドマシンに乗りかえて出走した。再開後、まずはマルティンが1分41秒820を出してトップタイムを更新。マルティンは次のラップで1分40秒台に入れ、トップをキープ。その後アレックス・マルケスが1分40秒915でマルティンのタイムを上回り、さらにアコスタが1分40秒912とわずかにトップタイムを更新する。 残り17分で9番手につけていた中上が2コーナーで転倒。ライダーは無事で、残り10分で再出走した。セッション終盤、中上が1分40秒970で4番手に。さらにその次のラップで1分40秒501を出しトップに浮上する。これを皮切りに各ライダー最後のタイムアタックに入るが、トップタイムは最後まで更新されず、中上はフル参戦ラストレースの最初のセッションをトップで終えた。2番手はアコスタ、3番手はアレックス・マルケスだ。 ポイントリーダーのマルティンは5番手、マルティンを追うフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は7番手でセッションを終えた。なお、バニャイヤはセッション終了後に1コーナーで転倒を喫している。 午後は晴れ間が見え、気温16度、路面温度21度のドライコンディションで60分間のプラクティスが行われた。セッション序盤でマルティンが1分40秒934でトップタイムを記録すると、そこから多くのライダーが午前中の自己ベストを更新し1分40秒台をマーク。その後マルコ・ベゼッチ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)が1分39秒829とその時点でのトップタイムを更新し、アレックス・マルケス、アコスタも1分39秒台に入る走りを見せていく。 序盤にフランコ・モルビデリ(プリマ・プラマック・レーシング)が2コーナーで転倒。また、セッション開始から10分ほど経過したタイミングでマルティンのマシンにトラブルが発生し、手を挙げて合図をしピットイン。修復を経てコースに復帰する。 残り20分の時点でマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)が1分39秒958の2番手タイムを記録。それに続いて多くのライダーがタイムアタックに入り続々と自己ベストを更新していく。 マシンの調整を重ねていたマルティンが1分39秒652でトップタイムを塗り替え、次のラップで1分39秒215をマーク。アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)、バニャイア、アコスタなどもタイムを上げていった。 残り10分を切ったところで、ザルコが1分39秒197のトップタイムを更新。さらにバニャイアが1分38秒918と1分38秒台に踏み入れ、ベゼッチも38秒台を記録する。 さらに計時終了直前に多くのライダーが自己ベストにトライしたが、ミルの転倒により3、4セクターで黄旗が提示されたことでタイム更新はならず。バニャイアがトップタイムでセッションを終了した。2番手はベゼッチ、3番手は第6戦カタルーニャGPでポールポジションを獲得したアレイシ・エスパルガロとなった。ポイントリーダーのマルティンはバニャイアと0.296秒差の5番手。 日本メーカー最高位は4番手のザルコだ。中上は13番手で初日を終えた。ヤマハのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)は14番手、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)は15番手だった。 [オートスポーツweb 2024年11月16日]