パリ五輪メダリストの報奨金はいくら?海外では「平均年収60年分&不動産&ラーメン一生無料」で生涯安泰な選手も!? そもそも報奨金が始まった理由とは...
社会主義国の『政策』として1952年に始まった報奨金
各国のオリンピック委員会が出す報奨金は「選手のバックアップ」や「名誉」の意義がありますが、報奨金の始まりは、1952年のヘルシンキオリンピックで旧ソ連が開始したこと。国を挙げて応援しようという社会主義国の1つの政策でした。 日本はかなり遅れて1992年のアルベールビルオリンピックから導入されました。その理由は、1988年のソウルオリンピックのときに韓国・中国にオリンピックで惨敗しメダル数が減少したからと言われています。特に韓国ではメダリストの徴兵制の免除などもあるため、日本もご褒美というよりは頑張ってもらうために始まったというちょっと意外な理由があります。
当初は「非商業化」「アマチュアのみ」だった
お金とオリンピックの関係について、ルーツを見ていきます。そもそも1896年にアテネで近代オリンピックが始まったときは、商業化しておらず、参加者もアマチュアのみでした。これは古代オリンピックのときから、お金をもらっている選手のような人たちが参加できないという昔からの思想に基づいてのものでしたが、現在のオリンピックではスポンサー料や放映権料なども入り商業化しています。プロチーム所属の選手やスポンサーがいる選手も参加できるようになっています。
商業化した理由は「大赤字」「政治からの独立」
オリンピックが商業化した理由の1つは大会自体が赤字だったことです。特に、体操のナディア・コマネチ選手が一世風靡した1976年のモントリオールオリンピックは、実は大赤字でした。市の負債は8000億円になり2000年代前半まで市民は税金という形で負債を払い続けていました。これを見て各国は『うちはもうやらない』となり、商業化しなくてはという声が出始めました。 もう1つは政治に左右されたくないという理由です。本来であればスポーツと政治は分離して考えるべきですが、1980年のモスクワオリンピックでは東西の冷戦や、旧ソ連のアフガニスタン侵攻に反対してアメリカや日本などの国々がボイコットするといったことがありました。財政基盤があれば政治から独立できるため商業化せざるを得ない状況になっていったということです。