トヨタ、自動車の“限界“突破へNTTとタッグ。AI基盤整備へ「IOWN」が鍵
NTTの「IOWN」がモビリティAI基盤の鍵に
自動車の技術で世界トップのトヨタがこうした基盤を構築するために通信に強みを持つNTTとの連携を強化することになったのは、必然とも言える。実は両社は2017年に、コネクティッドカー分野での技術開発などで協業を開始。2020年には、スマートシティの実現を目指した業務資本提携に合意するなど、協業関係を深めてきた。 「『車と情報通信が一体となって、暮らしを豊かにする社会基盤を作る』というビジョンに共感している。 そのビジョンを具現化するステップをトヨタと踏み出すことに、大変興奮している」(NTT・島田社長) モビリティAI基盤の構築において大きな役割を担うのが、NTTが掲げるネットワーク・情報処理基盤の「IOWN(アイオン)」だ。 2030年の実現を目指して研究開発を進めているIOWNは、光を活用することで、高速・大容量通信や膨大な計算能力の提供を可能にするもの。 「IOWNによって、走行中の車からリアルタイムで情報を収集し続けられる。しかも電力の消費も抑えられる」と、島田社長は自信を見せる。
松本和大