エルメスを象徴するレザーを筆頭に、異素材使いが冴える──特集:ローゲージかハイゲージか。2024年、冬のニット選び
高度な職人技術を随所にちりばめたエルメスのニットコレクション。ハイ&ローともに、編みのテンションに関係なく、ラグジュアリーかつエレガントな逸品が出揃った。 【写真を見る】それぞれのプライスとディテールをチェック!
上質な素材感と匠の技が光る
今シーズンは、ローからハイまで様々な仕様のニットがお目見え。とりわけアーガイル柄をモチーフにしたシリーズでは、柄部分にレザーの切り替えを用いたり、遊び心のあるステッチで変化をつけるなど、ハイブランドに相応しい匠の技が冴える仕立てが目をひくのだ。またカシミアやシルクを用いたハイゲージニットも、鮮やかな発色と滑らかな着心地が魅力だ。 ■ARGYLE カラフルなアーガイル柄と、ブラウンのラムスキンのパッチが目をひく、カシミア100%の V ネック プルオーバー。スコットランドの伝統的な柄であるアーガイル柄をレザー素材とハンドソーイングで描き、エアフロー加工した糸を使用することにより、柔らかな落ち感と繊細なトロミが生まれている。 ■SADDLE STITCHED TURTLENECK カシミア 80% ×シルク 20%というラグジュアリーな素材で仕上げた、リブ付きのタートルネックニット。エレガントなブリュイエール(淡いヴァイオレット)のカラーに加え、滑らかな肌触りが快適な着心地を約束する。肩&サイド部分には、コントラストカラーのサドルステッチをリバースシーム(表と裏を逆にして敢えて見せるようにしたステッチ)モチーフとして施している点もポイントだ。 ■TURTLENECK KNIT ハイゲージのカシミアニットをベースに、前身ごろ部分のみシルクニットをあしらったタートルネックセーター。シルクニット部分には縁取りを施し、袖口はカフス仕立てとなっているので、イブニングのフォーマルな装いにも適したアイテムとなっている。トーンオントーンでありながら、マットなカシミアニットと艶のあるシルクニットでコントラストを効かせている点も魅力だ。 ■ARGYLE CRAYONNE グレーをベースに、多彩なアーガイル柄を散りばめたハーフジップ仕様のハイネックニットは、カシミア100%素材というラグジュアリーな逸品。クラシックなモチーフを色彩&アシンメトリーの両面から再解釈することで、現代的なムードに落とし込んだ。伝統的なアーガイルモチーフは、ひとつひとつの柄部分で色糸を切り替えて仕上げる手編みのインターシャ技法を用い、すっきりとしたエレガントな表情を生み出している。 ■エルメスジャポン TEL:03-3569-3300
文・オオサワ系、森下隆太 写真・高橋絵里奈 スタイリング・安倍拓志 編集・岩田桂視(GQ)