女子プロレス“歴史に残る流血戦”「まるでイノキ対ベイダー」Sareeeが引き出したボジラの“才能”「アメリカのリングでも間違いなくトップに」
「アジャコング戦以来の大流血」決着は血染めの腕十字
「Size does matter(デカさこそがすべて)。私は最強で頭がいいモンスター」 Sareeeを襲ったボジラのパワーは驚異的だ。巨体でぶちかまし、ラフファイトもできる。長身からスープレックスも放つし、ムーンサルトプレスまでやってのけてしまうのだから無敵感がある。逆にそんなに動かなかったら、さらなるすごみを感じられたのかもしれないが……。でも、これはこれでいいだろう。このスタイルがボジラなのだから。 序盤に繰り出したSareeeの卍固めはボジラによく巻き付いたが、パワーで振りほどかれた。 そして投げっぱなしジャーマンスープレックスvs.バックドロップ。 Sareeeはコーナーからボジラを踏みつけた。かつて猪木がアンドレに、弁慶に向かった牛若丸のごとくヒラリと舞い降りたように。猪木はニードロップだったが、Sareeeは両足でのスタンプだ。もう一度、高々とジャンプしたSareeeはボジラを踏みつけた。 「リングはいろんなものでできているでしょう。それを有効に使えばいいんですよ」 猪木はかつてそう言っていた。確かにリングにはロープも鉄柱も金具も存在する。そしてリング内も場外もある。 場外で暴れるボジラにイスを投げつけられて頭から流血してしまったSareeeだったが、それで余計にすごみが増した。本人によると「6年前のアジャコング戦以来の大流血」だったという。 Sareeeは猪木流の腕折りから、延髄斬り、そして裏投げを放つとボジラの右腕を固めにいった。グラウンドに移行してのアームバー。微妙にポジションを変えながら、Sareeeは腕を極めてボジラからギブアップを奪った。血染めの腕ひしぎ十字固め。
ボジラは「世界最強レベル」Sareeeの証言
「ボジラ、オマエは世界最強レベルだよ。でもボジラに勝った私が最強です。あなたは今日から私のライバルだよ」 Sareeeは腕を押さえた挑戦者に言った。ボジラはSareeeに敗れたが、「ボジラ・タイム」も同時にスタートしていた。 「キツい戦い。こんな血だらけにされて。本当、今日ダメかなって途中思ったんですけど、私の覚悟ってそんなもんじゃないんですよ。このベルトを簡単な気持ちで巻いているわけじゃない。私は背負っているものがしっかりあるんですよ。フリーだとしても、私は団体だけじゃない、女子プロレス界全体を背負っている。これは胸張って言えます。私はここからが自分にとって勝負だと思っている」(Sareee) ボジラは2年後にはアメリカのリングで間違いなくトップになれる存在だ。もしかしたら、もっと早いかもしれない。だが、ただ好きに暴れることができる日本のリングでの「ノーリミットのボジラ」をもう少し見てみたいと思う。 今回はSareeeがテクニックとキャリアでボジラをかわした印象だが、2度目の対決を終えて、このカードはより特別なものになった。急速に成長しているボジラはすごく楽しみだ。 今後、何試合このシングルマッチが見られるかわからない。だが、この日の「女イノキvs.女ベイダー」は歴史的な戦いだった。
(「プロレス写真記者の眼」原悦生 = 文)
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