阪神の新外国人ナバーロは救世主になれるのか? その実力と特徴は?
サンプルに限りがあるが、打球の飛んだコースを見る限り、確かに左右にまんべんなく、打ち分けている。本塁打も左右に1本ずつ。ただ、この図からは、外野にフライを打つ場合、多くがセンターから左方向ということが言える。ライトへのフライは少ないので、そもそも浜風の不利を受けることは少なく、逆にうまく乗せれば、レフトへホームランを打てる可能性はある。 ただ、ウィルヘルムセンが指摘したように、やはり“大きい”のは期待できないかもしれない。 大リーグでの本塁打は、計157試合に出場し、355打席で3本塁打。マイナーでは、2011年に133試合に出場し、547打席で12本塁打。これが年間最多で、狭い球場が多い3Aのパシフィック・コースト・リーグでこの数字ということは、そもそもそういうタイプではないのかもしれない。 ただ、マイナーでは12シーズンで通算打率.295とまずまず。出塁率も.364で、阪神では、不在となっている1番打者として起用する案があるのも不思議ではない。走者を返す、というよりは、チャンスメーカータイプか。 性格的な部分に関しては、デモイン・レジスター紙の記者が、「彼にはメンタルの強さがある」と教えてくれた。 ナバーロは、2007年のドラフトで全体の1450番目という下位でエンゼルスから指名された。この時点で、彼はチームから期待されていない。おそらくエンゼルスのスカウトも、ろくに見ていないのではないか。 それでも着実にマイナーの階段を上がり、2010年に2Aに。しかしシーズン中盤まで苦しむと、「後半で結果を出せなければ、もう、このチームにはいられない」とエンゼルスから最後通牒を受けたという。全体の1450番目で指名された選手に容赦はなかった。 しかし、8月、9月に3割以上の数字を残して居場所を確保。翌年は3Aに昇格し、さらにメジャーの切符まで掴む。その経緯は、先月26日付けの同紙に詳しいが、ナバーロは崖っぷちで踏みとどまった。 なるほど、彼は修羅場をくぐってきた。ドラフトで指名されたときから、ずっと後がなかった。