久保建英の移籍話も再燃か レアル・ソシエダの不振に地元スペイン人記者「主力全員を来季チームに留めるのは至難の業」
【久保のベストパートナー不在】 CLグループリーグにおいて、ラ・レアルのベストプレーヤーはアンデル・バレネチェアとブライス・メンデスだった。そしてチーム最大の武器は、キャプテンのミケル・オヤルサバルが指揮する、特にアノエタ(※レアレ・アレーナの正式名称)での前線からのハイプレス。さらに久保の違いを生み出す力も大きな武器となっていた。 しかし、ベンフィカ戦でのハイパフォーマンス以降、ラ・レアルの指揮官、イマノル・アルグアシルは久保、バレネチェア、オヤルサバルのトリデンテ(三又の矛:3トップの意味)を一度も先発起用できていない。 ブライス・メンデスは昨季、後半戦に入ると調子を落とし始めていたが、今季はそのタイミングがより早かった。オヤルサバルはパリ・サンジェルマンとの第1戦を負傷欠場し、第2戦もヒザに問題を抱えたまま全力でプレーした。 ラ・レアルは今季最初の数カ月間、久保、ブライス・メンデス、そしてサイドを駆け上がるアマリ・トラオレの右サイドのトライアングルによって、多くの攻撃を生み出してきた。しかし、ブライス・メンデスが失速し、トラオレはラ・レアルの選手として、パリ・サンジェルマンとの2試合が最低のパフォーマンスになり、このトライアングルは全く機能せず、散り散りになっていた。 このような理由が重なり、パリ・サンジェルマンとの第2戦で久保は、今季好調のバレネチェアがケガ明けでベンチスタートになったなか、試合の流れを変える責任を負わなければならなかった。しかも、ベストパートナーだったふたりが調子を崩し、久保のために壁パスやスペースを作る働きができない状態のなか、その仕事を遂行する必要があったのだ。もちろん久保はすばらしい選手ではあるが、まだ奇跡を起こすほどの力はない。
【久保自身も低迷している】 今回の敗戦は、久保にも責任があるのは明らかだ。昨季および今季序盤に示したレベルの高さによって、彼はチームのベストプレーヤーのひとりに数えられていた。大事な局面で前に出なければいけない選手であり、チームのなかでより決定的な役割を果たさなければいけない選手なのだ。 彼はその地位を確立したことで、数週間前に契約延長した。にもかかわらず今季は重要な試合において、決定的なプレーを見せられていない。 シーズン最初の2、3カ月は簡単にゴールネットを揺らし、マーカーが誰であるかなど考えることなく対峙し、コンスタントにチャンスを生み出していた。しかし月日が経つにつれ、自分がベストの状態にはないと自覚し、フラストレーションを感じる選手へとなっていった。そしてアジアカップ参加がそれに輪をかけたのだ。 久保は同大会の1週間前、自分の給料を支払ってくれているチームでのキャリアがこの大会で途切れてしまうことに不快感を示していた。もちろんそれは日本代表として活躍したくないからではない。シーズンの重要な局面で抜けることで、チームに迷惑をかけると感じたからだ。 日本代表と久保のアジアカップでの歩みは慎ましいものとなり、サン・セバスティアンへの帰還は誰もが予想していたよりも早かった。久保は気落ちした状態で戻ってきたが、ラ・レアルにとってはビッグニュースとなった。しかし、久保はチームに合流した後、すでに大会前に崩していた調子を取り戻せてはいなかった。