ポルシェ「911」のオープンモデルを試す!「カブリオレ」と「タルガ」は「後期型」になって何が進化した?
タルガの魅力はスタイリングのカッコ良さ
現行型ポルシェ「911」の後期型(992.2)が2024年5月に発表され、まずは内燃エンジンの「カレラ」とハイブリッドに進化した「GTS」が登場しました。今回は、欧米で人気のオープンモデル「カレラ カブリオレ」と「タルガ 4 GTS」の走りをお伝えします。 【画像】後期型へと進化した! ポルシェ「911」の「オープンモデル」を見る(全12枚)
エンジンサウンドが心地よい内燃エンジンのカレラ
2024年5月、現行ポルシェ「911」(タイプ992)の後期型にあたる通称「992.2」のスタンダードモデル「カレラ」と、911初のハイブリッド「カレラ GTS」がワールドプレミアされた。 ひとくちに911と言ってもじつに多くのバリエーションが存在する。今後はカレラ、カレラ GTS、に続いておそらくカレラ Sやターボ、GT3といったグレードが登場することになる。ボディタイプは、クーペ、カブリオレ、タルガがあり、そして2WD(RR)と4WDの駆動方式の違いと、これらを掛け合わせるとバリエーションの数は20以上にもなるはずだ。 日本においては人気のボディタイプは圧倒的にクーペだが、欧米ではカブリオレやタルガといったオープンモデルの人気が高い。なんと全体の半数近くを占めるという。したがって7月にスペインで開催された国際試乗会でも公道ルートはオープンモデルが割り当てられた。
クーペとカブリオレの差を感じることはほとんどない
まずは「カレラ カブリオレ」に乗った。ソフトトップの骨組みはマグネシウム合金製で、リアウインドウはガラス製。幌はブラック、ブラウン、レッド、ブルーの4色と、ブラックにグレーのストライプが入ったものも選択可能だ。50km/h以下であれば走行中でも開閉が可能で、所要時間は約12秒。 カレラのパワートレインは、前期型と同様の3L水平対向6気筒ツインターボエンジンに8速PDKを組み合わせる。エンジンの冷却性能をアップするために前期型ターボ用のインタークーラーを採用。そしてタービンは前期型GTS用のものに置き換えられた。最高出力は前期型に比べて9psアップの394ps、最大トルクは450Nmと変更はない。 しかし、後期型では1500回転以下でも300Nmのトルクを発生し、それを超えるとすぐに最大トルクの450Nmを発生するようにチューニングされているため、動き出しからトルクのつきがいい。ソフトトップを閉じた状態であれば静粛性も高く、まるでクーペのようだ。 信号待ちの合間に幌を開けてみた。オープンにするとボディのねじり剛性が落ち、ステアリングのレスポンスが鈍くなるといったモデルもあるが、911に限ってはまったくない。ワインディングロードを気持ちよく流すような速度域では、クーペとカブリオレの差を感じることはほとんどない。ウインドディフレクターによって風の巻き込みは最小限に抑えられており、何より車内にダイレクトに飛び込んでくるフラット6のエンジン音が心地よい。