10月から高校生も「児童手当」をもらえる! と喜んでいたら、「扶養控除」が縮小すると聞きました。結局“損”してしまうのでしょうか?
子育て支援の一環として「児童手当」が児童を養育する保護者に支給されています。そして、2024年10月からは支給期間が延長され、高校生まで支給されるようになります。 一方で、2026年からは高校生(16歳~18歳)の「扶養控除」は縮小予定です。「児童手当」が増えて、「扶養控除」が減ると、結局手元に残るお金が増えるのか減るのかよく分からない人も多いでしょう。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点 本記事では、児童手当の拡充と、扶養控除の縮小について解説します。
2024年10月から児童手当が拡充される
2024年10月から拡充される児童手当ですが、変更のポイントは次の4点です。 1. 所得制限の撤廃 2. 支給期間を高校生年代まで延長 3. 第3子以降の支給額を増額 4. 支払回数を年6回に増加 1の所得制限の撤廃ですが、これまでの制度では生計者の所得水準によっては支給に制限がありました。しかし、今回の改正で、所得に関わらず全員に全額が支給されるようになります。 4の支払回数を年6回に増加については、これまでは4ヶ月分ずつを年3回のタイミングで支払われていたものが、2ヶ月分ずつを年6回のタイミングで支払われるようになりました。支給のタイミングが増えることで、保護者が使いやすくなることがねらいです。 2の支給期間を高校生年代まで延長、3の第3子以降の支給額を増額については、図表1の通りです。 図表1
こども家庭庁 児童手当制度のご案内、こども家庭庁 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の概要を基に作成 例えば、子が一人で2024年10月以降に高校生になる家庭のケースだと、年間で12万円が支給されます。対象の家庭にとってはうれしい変更と言えるでしょう。
2026年以降高校生の扶養控除は縮小予定
児童手当の見直しをふまえ、16歳から18歳までの扶養控除については、2026年以降見直されることが2023年12月に閣議決定しています。 具体的には、扶養控除について、所得税は38万円から25万円へ、住民税は33万円から12万円に変更されます。