名駅前から姿を消したシンボル“銀のぐるぐる”はどこへ…? 撮り続けた91歳が復元願う
リニア開業に向けた再整備で、名駅周辺はずいぶんと様変わりしていますが、一昨年に撤去された名古屋駅前のシンボル“銀のぐるぐる”は、今どこにあるのでしょうか。
撤去から1年半 “銀のぐるぐる”は今どこに?
リニア中央新幹線の工事が着々と進む名古屋駅周辺。JR東海によると、名古屋駅周辺の用地の取得はすべて完了していて、“2027年以降”の開業に向け、さまざまな場所がフェンスで囲われています。 風景が変わったといえば、駅前から姿を消した“銀色のぐるぐる”。名古屋市が市政100周年を記念して作り、30年以上も名古屋駅のシンボルだった「飛翔」です。一昨年、駅前広場の整備のために撤去されたのですが、その後、一体どうなったのでしょうか。
名古屋市名駅ターミナル整備室の主査・小野田昌樹さんに聞いてみたところ、当初はささしまの高架下に再構築する予定だったのですが、高さを削らなければならないなどの理由から断念し、今は市有地で保管しているということでした。 保管場所は防犯上の理由から明かせないということで、「具体的な場所は明かさない」という条件で住所を教えてもらい向かってみると、金網に囲まれた場所に大量のブルーシートが…。ブルーシートの隙間からは、筒状のものが見えます。分解された「飛翔」のパーツが山積みになっていました。 市有地に1年半も置かれっぱなしになっているのは、ささしまへの移転が白紙となった後、新たな移転先が決まっていないからです。雨風にさらされたブルーシートは痛んでいる箇所もあり、寂しい光景となっていました。
撤去された「飛翔」の復元を願い活動を続ける91歳
撤去されてしまった名古屋駅前のシンボル「飛翔」に思い入れのある男性がいます。愛知県東郷町に住む有元洋剛さん、91歳。 有元さんは、1975年に名古屋へ転勤となり、勤務先だった大名古屋ビルヂングの9階から街並みを撮影していたそうです。そして、「飛翔」の建設が始まると、シャッターを切る回数も増えていきました。 「飛翔」を撮り続けた有元洋剛さん: 「カメラで写すときに面白いタイミングの方がいいと思って、ただ単にパチっと写すだけでなく、(現場で)朝礼をやっているとか、ポンプ車が入ってきたなとか、工事の状況が写るようにシャッターを切った」