NSX GT3はウエイトを積んでも性能が落ちにくい? 昨季2勝もタイトル逃したUPGARAGEの小出「その原因が分かれば、常に速く走れるはず」
スーパーGTの2023年シーズンは2勝を記録して、GT300クラスでランキング5位となったTEAM UPGARAGE。悲願のタイトルを狙う今シーズンも、小林崇志、小出峻のコンビとNSX GT3のパッケージは変更なし。昨年は3勝目獲得かに思われたレースで失格となるなど悔しいシーズンを過ごしただけに、彼らはそのリベンジに燃えている。 【写真】2024年型のGT500マシンが登場! スーパーGTセパンテスト:フォトギャラリー ホンダの育成ドライバーでもある小出にとっては、GT500クラスやスーパーフォーミュラへの昇格に向けても、今シーズンは重要な1年となる。ただTEAM UPGARAGEはアットホームで何でも聞けるような雰囲気があり、若手にとってはこれ以上ない環境だと語る。 「僕がF4を走っていた時に漠然とイメージしていたGT300のトップチームというのは、言い方を選ばずに言うとお硬いというか、硬派な印象がありました」 「ただUPGARAGEさんはアットホームで、すごく馴染みやすかったです。詳しいことも教えてもらえるし、逆に臆せず気軽に聞けるという環境なのが良かったです。どんなに細かいことを聞いても『なんでそんなこと聞くんだ』とは絶対言われません」 「僕はそのおかげで経験値をすぐに蓄えられましたし、自分の向上心をそのままレースに向けることができました。F4からステップアップする上では、ここがドライバーを育てる一番の環境なんじゃないかと思います」 UPGARAGEの18号車NSXにとって、2023年シーズンは波瀾万丈な1年だった。悪天候の開幕戦岡山でデビューウインを飾り、第5戦鈴鹿では2勝目を飾って一躍タイトル争いの主役に。どちらのレースも、波乱の中ピットタイミングの妙で大きくジャンプアップしたというラッキーな側面があったのは確かだが、そのベースには優勝を争えるマシンのポテンシャルがあったことも確かであった。 実際に第6戦SUGOでは100kgウエイトを積みながら優勝争いを展開。チェッカー寸前でガス欠症状の出た埼玉トヨペットのスープラを尻目に、18号車はトップでチェッカーを受けた。しかしレース後の車検で最低地上高違反と判定され失格に。シーズン3勝目は幻となり、タイトルも遠のいた。 小出はシーズンを振り返り、SUGOで好調だった背景には、サクセスウエイトを積んでもパフォーマンスがあまり落ちないNSX GT3の特性があったと語る。今シーズンはその理由を探ることが鍵になりそうだ。 「(SUGO戦では)クルマの仕上がりも良く、ヨコハマさんのタイヤもパフォーマンスが良かった、というのは大前提ですが、NSXというクルマがウエイトを多く積んでもパフォーマンスが落ちないんですよね」 「原因は分かりませんが、逆に動きが良いように感じるんですよね(笑)。その原因もしっかり突き止めないといけないと思っています。逆にそれを解明すれば、常に高いパフォーマンスで走れるようになると思うので、今年はそこにも取り組んでいきたいです」
戎井健一郎
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