発電のビストラ、2024年S&P500種トップ銘柄-AI熱狂で需要急増
(ブルームバーグ): 発電を手がける米ビストラは、公益事業会社としては2001年以来の快挙を成し遂げた。株価は30日の終値時点で年初来264%の驚異的な上昇を記録し、S&P500種株価指数のトップ銘柄となった。
ダラスに本社を置くビストラは、5月にS&P500種に採用され、年間としては創業以来の好成績を残した。公益事業はディフェンシブな投資先であり、無難なセクターと思われがちだが、ビストラは成長著しいハイテクセクター並みの躍進を見せ、これに追随して他の原子力発電運営会社の株も上昇した。
株式市場の中でも退屈なエリアだと長年認識されてきた公益事業は、人工知能(AI)とデータセンターの成長による電力需要を背景に、株価が急伸した。原発が温暖化ガスを排出しないエネルギー源と見なされ、受け入れが広がったことも追い風となった。
グッゲンハイム・セキュリティーズのアナリスト、シャリア-・ポレザ氏は「どこを見ても、電力需要はこれまでにないほど強くなった」と話す。「原発を運営する事業者数は限られているため、希少価値がある」と指摘した。
規制対象の公益事業と異なり、独立系の発電会社は「転換点」を迎えているとポレザ氏。相次ぐデータセンター建設のほか、大規模な国内回帰の流れ、電化トレンドが背景にあるという。
原題:Vistra Is First Utility to Top S&P 500 Since 2001 Amid AI Boom(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Geoffrey Morgan