中国が定年引き上げ、1978年以来-来年から15年かけ調整
(ブルームバーグ): 中国は1978年以来となる定年引き上げを決めた。労働力の減少ペースを抑え、経済の下支えを目指す。
国営新華社通信は13日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が段階的な定年延長を承認したと報じた。今後15年間で、男性の法定退職年齢を60歳から63歳に、女性は50歳(幹部職55歳)から55歳(同58歳)に引き上げる。今回の見直しは2025年1月1日に発効する。
常務委は「全てのレベルの行政が人口高齢化に積極的に対応し、労働者の雇用と起業を奨励・支援すべきだ」と決定。また、労働者の権利保護と高齢者ケアの改善を求めるとともに、必要に応じて政策措置を調整する権限を国務院に与えた。
中国共産党は7月、「自主的かつ弾力的な原則」に基づく定年引き上げ方針を発表。より多くの国民がより長く働けるようにすることは、世界2位の経済大国に重くのしかかる人口動態の逆風に対応するものだが、景気低迷の中で国民の不満に拍車をかける恐れもある。
ソシエテ・ジェネラルの大中華圏担当エコノミスト、ミシェル・ラム氏は「定年引き上げのスケジュールはかなり緩やかだ。政策当局は恐らく潜在的な悪影響を考慮し、慎重に調整したのだろう」と指摘した。
30年以降に年金受給資格を得るまでの支払い期間が15年間から20年間に徐々に引き上げられることも決まった。
原題:China Approves Plan for First Hike to Retirement Age Since 1978 (抜粋)
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