Wienners企画『W Dutch 2024』東京公演、お互いのリスペクト全開!キュウソネコカミとのエモーショナルなツーマンライブをレポート
そして、転換を経ていよいよWiennersの出番。玉屋2060%は、メンバーふたり&サポートドラマーのカズマ・タケイ(ネクライトーキー)とともに登場するなり、フロアに飛び込み、「もっと近くに来れる?」と呼びかける。そして最初に繰り出したのは「蒼天ディライト」。軽やかなダンスビートにオーディエンスの手が揺れ(みんながつけているLEDバンドが光ってきれいだ)、力強い手拍子が鳴り響く。続けてパンク魂溢れる「TRADITIONAL」。「一番でっかい声で!」という玉屋の求めに応えて絶叫するフロア。最高にフレンドリーで熱い空気が、序盤にして出来上がっている。さらに「TOP SPEED」にアサミサエのボーカルが冴え渡る「レスキューレンジャー」、和でファンキーでディスコでパンクなWiennersの真骨頂「SHINOBI TOP SECRET」とアグレッシブな楽曲を連打。そこから時空を越えるように「VIDEO GIRL」につなげると、オーディエンスの間からひときわ大きな歓声が上がった。 「まずはキュウソネコカミに大きな拍手を!」。玉屋がギターをつまびきながら話す。先ほどのキュウソのMCを引き合いに出しつつ「我々も10年以上やってます。Wiennersも今が一番かっこいいです! それを証明しにやってきました」。自らその言葉を証明するかのように「Justice 4」が切れ味鋭い音でフロアを沸かせていく。∴560∵が叩くパーカッションが生み出すサンバのリズムでオーディエンスと一緒に踊り狂うと、「ダンスを止めないで!」とそのまま「DANCE HALL CRUSHERS」へ。とてつもない高揚感。その高揚感を続く「ブライトライト」がますます高めていく。 メンバーみんながハンドマイクでカラオケする「SUPER FUTURE」、アサミサエの全力ダンスも飛び出す「おどれおんどれ」、そして未発表曲「いろはにほへと」と、玉屋&アサミサエのツインボーカルが楽器を持たずに煽りまくる楽曲を連打したのち、「音楽をやってる一番の理由は、こういう意味の分からないものに感動してしまうから」と玉屋が話していると、そこに流れ出したのは“あの”着信音。「だれ、携帯鳴らしたの?」と玉屋はとぼけるが、違うそうじゃない。これは「ファントムヴァイブレーション」のカバーだ! 感謝と愛情のこもったWienners版「ファントム」にフロアも大熱狂。「もはや俺たちはお前らの臓器やで!」という玉屋の決めゼリフに大歓声が巻き起こった。 その後は「恋のバングラビート」と新曲「TOKYO HOLI」でここ渋谷にインドの風を吹かせると、いよいよライブは最終盤。「この対バン、正直にライブしようと思った。この平和がいつまで続くか分からない。俺たちもいつ死ぬか分からない。俺は音楽で感動したいだけ。そしたら生きてるって思える。俺たち、まだまだ生きてていいですか?」。玉屋の熱い言葉がフロアの温度をここにきてさらに高める。そして始まった“俺たちの曲”、「UNITY」の大合唱がQUATTROを震わせると、「何様のラプソディ」のファストなビートでもう一度花火を打ち上げ、「また生きて会いましょう。そのための約束として......」という玉屋の言葉から本編最後の曲「GOD SAVE THE MUSIC」へ。ライブハウスとバンドへの讃歌が力強く鳴り渡った。 アンコールではキュウソとまた対バンをする約束をしつつ、「絶対来いよ?」とお客さんとも契りを交わす。そして10月31日にWiennersのホーム・吉祥寺WARPで開催するハロウィンナイトの告知をすると、「おおるないとじゃっぷせっしょん」でもうひと盛り上がり。明るく照らし出されたフロアが飛び跳ね、揺れる。そしてこれがないと終われない「Cult pop suicide」から「よろこびのうた」へ。バンドとオーディエンス、全員の声がQUATTROの空気を震わせる。そんな最高の多幸感とともに「W Dutch」は幕を下ろしたのだった。 Text:小川智宏 <公演情報> 『W Dutch 2024 -Wienners 2MAN SHOW-』 10月2日(水) 東京・渋谷CLUB QUATTRO 出演:Wienners/キュウソネコカミ 【セットリスト】 ■キュウソネコカミ 01.TOSHI-LOWさん 02.ビビった 03.ファントムヴァイブレーション 04.3minutes 05.こみゅ力 06.KMDT25 07.家 08.ネコカミたい 09.DQNなりたい、40代で死にたい 10.ハッピーポンコツ ■Wienners 01.蒼天ディライト 02.TRADITIONAL 03.TOP SPEED 04.レスキューレンジャー 05.SHINOBI TOP SECRET 06.VIDEO GIRL 07.Justice 4 08.DANCE HALL CRUSHERS 09.ブライトライト 10.SUPER FUTURE 11.おどれおんどれ 12.いろはにほへと 13.ファントムヴァイブレーション(キュウソネコカミカバー) 14.恋のバングラビート 15.TOKYO HOLI 16.UNITY 17.何様のラプソディ 18.GOD SAVE THE MUSIC En.おおるないとじゃっぷせっしょん En.Cult pop suicide En.よろこびのうた