【ラグビー】「あらためてその存在の大きさに気づく」。「嘘だと思っている」。堀江翔太引退へ、周りの反応いろいろ
引退の件を聞き、それまでに見た情景を思い返した。 今秋のワールドカップフランス大会に出た堀江は、タックル、スクラム、ランで圧倒的なインパクトを示していた。坂手はしみじみと話した。 「(引退の)話を聞いて、あれだけのパフォーマンスを出していたのは、そういう(日本代表でプレーするのはこの大会が最後だという)気持ちもあったからかな、と。賭ける思いが、プレーに出ていた」 堀江はどんな存在だったか。記者団に聞かれて答えた。 「プレーだけではなく、いろんな所に気が回るところ、コミュニケーション力が高いところもお手本になる。今年も一緒にできるので、いろいろと吸収していきたいと思っています」 日本代表、ワイルドナイツでSOを担う松田力也は、堀江のリタイアを「僕はいまだに信じていないし、嘘だと思っています」と捉えた。 2019年の日本大会に出たあたりから仲を深め、公私で行動を共にすることが増えた。佐藤氏を紹介してくれたおかげで、昨春に左ひざ前十字靭帯断裂の大ケガをしても首尾よく戦列に戻れたと考える。 フランス大会日本代表の正SOとして、ゴールキック成功率95パーセントと高い結果を残した。これから円熟期を迎える29歳は、「考え方、メンタル、ラグビーのこと…。堀江さんと長く過ごしたからこそたくさん学ぶものがあり、あの舞台(ワールドカップ)でも自分のやりたいようにできた」と感謝する。 尊敬する先輩と一緒に戦える時間は、残すところあとわずか。初戦は12月10日に埼玉・熊谷ラグビー場でおこなわれる。昨季3位の横浜キヤノンイーグルスと戦う。 シーズン全体を見据えて松田は言う。 「(決勝で)勝って堀江さんを送り出す。何も言わなくても、そういうムードだと思う。堀江さんの泣くところが見たいです。人前で、大泣きしてもらおうかなと」 チームを率いるロビー・ディーンズ ヘッドコーチは、堀江のセカンドキャリアへ向かうマインドに好印象を抱いている。