【更年期、進藤やす子さんの場合/インタビュー後編】 本物のホットフラッシュがついにやってきた!
いろいろあるけれど、多忙な日々は不調を忘れさせてくれる
ホットフラッシュ以外にも気になることはある。髪の毛がものすごくうねりやすくなったとか、急に歯並びがガタガタになってきたとか、老眼が進んで見えにくいとか…。挙げればキリがないそう。 「探せばいろいろあるけれど、人は経年劣化していくんだな、と受け止めています。 私の中では、更年期は誰でも通る道なので、あまり深刻に受け止めたくないと思っているところがあって。更年期に起こっていることを隠すマインドが一切ないので、友達ともよく話します。すんなり受け入れて、むしろみんなで面白がっているほうかもしれないです。ネタですね、ネタ」 ところで、44歳でバセドウ病を発症した進藤さん。定期的に病院に通って治療(飲み薬)を続け、いろいろな症状は治まっているはずだった。 本業のイラストレーターのほかに、2023年春から山形県の東北芸術工科大学デザイン工学部に准教授として迎えられ、新しい環境に入ろうとしていたとき。就職するタイミングで健康診断を受けると、不整脈という診断。不整脈はバセドウ病の症状のひとつ、つまり、再発しているということ! 「子宮筋腫も手術でよくなったことで調子に乗っちゃったのか、ある期間、甲状腺の病院に行かなくなっていたんです。バセドウ病は完治せず寛解するだけなのに、症状が治まっていたから、勝手に治ったかのように思い込んだといいますか、もともと病院嫌いですからね。 新しい職場の敷地が広いせいか移動で息切れするようになったり、痩せてきたのは行動量が増えたせいかな、なんて思っていたんですが、まさにどちらもバセドウ病の症状でした。 おかげで一時は、2週間ごとに甲状腺の病院に通わなくてはいけなくなりました。今は少し落ち着いて1カ月半おきです。ともかく病院嫌いを直さないといけませんね」 現在は、大学の授業のために東京と山形を行き来する日々。新幹線での移動は日常、週に何日かは山形泊と多忙な毎日を送っている。 「髪のうねりが…肌の調子が…とか、考えている暇がない感じです。とにかく朝起きて授業に行かなきゃいけない。 私は大学では初心者マークがついている状態で、苦手な経理とかもやらなきゃいけないし、1年たっても毎日がバタバタです。そして、今は学生ファーストな生活。完全に黒子として生きています。 その分、やりがいがあって心が安定しているし、充実しているのであまり更年期のことを考えなくていいのも、私にはグッドタイミングでした。 寝るときにだけ、何かこう体が更年期を思い出すのか、ホットフラッシュに見舞われるんですけどね」