4月15日にひとりで「30万円の年金」を受け取れたのはどんな人?6月支給分からさらに増額
老後の生活を安心して送るために欠かせない要素の一つが公的年金。現役を引退した人にとって、生活を支える要となります。 【年金一覧表】国民年金と厚生年金はいくら?モデル例で「4月15日の支給額が30万円になる人」の年収とは 今年は5年ぶりに年金の「財政検証」が実施され、制度の維持に向けた改正が議論されます。 では、今の高齢者はどれほどの年金を受給しているのでしょうか。直近の年金支給日は4月15日でしたが、この日「30万円の年金」を受け取れたのはどのような人なのか検証していきます。 記事の後半では、厚生年金の受給額平均・ボリュームゾーンについても見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
公的年金のしくみ「国民年金と厚生年金」を整理
日本の公的年金には「国民年金と厚生年金」があり、2階建て構造となっています。そもそも1階部分の国民年金にしか加入していない場合、4月15日にひとりで30万円の年金が支給されたということはほぼないでしょう。 ●1階部分:国民年金(基礎年金) ・日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入 ・保険料は全員一律で、40年間欠かさず納めれば満額の老齢基礎年金が受け取れる ●2階部分:厚生年金 ・会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入 ・加入期間や、収入(上限あり)に応じて保険料や将来の受給額が変わる もらえる年金としては、老齢年金、遺族年金、障害年金があります。 今回は老後にもらえる身近な年金として、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金の受給額に迫ります。 まずは、4月15日にひとりで「月額30万円の年金」を受け取れたのはどんな人なのか確認しましょう。
4月15日にひとりで「30万円の年金」を受け取れたのはどんな人?
4月15日に支給された年金は、まだ2023年度分(2月と3月分)であることに注意しましょう。 厚生労働省によれば、2023年度の国民年金と厚生年金の年金額は下記のとおりとなりました。 ●国民年金と厚生年金の年金額(満額とモデルケース) ・国民年金(満額):6万6250円(新規裁定者。68歳以上の方は6万6050円) ・厚生年金(2人分の国民年金と厚生年金):22万4482円※ ※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準。 上記を見て分かる通り、令和5年度は67歳以下で国民年金の満額が6万6250円、標準的な夫婦では合計で22万4482円となっています。 「標準的な夫婦の年金22万4482円」の内訳は、夫婦の老齢基礎年金(満額)と夫の厚生年金です。ここから厚生年金部分を算出してみましょう。 22万4482円ー(6万6250円×2人分)=9万1892円 厚生年金部分のみとなると約9万円でした。これが、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合にもらえる純粋な厚生年金月額ということです。 老齢基礎年金と合わせると、「15万8232円」になります。 ●ひとりで「30万円の年金」を受け取れた人 年金は2ヶ月に1度、前々月と前月分が支給されるため、「15万8232円」にあてはまる方は合計で31万6464円になったといえますね。 つまり、4月15日にひとりで「30万円の年金」を受け取れたのはどんな人? に対する答えは、「平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した人で、国民年金保険料も満額受け取れる人」となります。 支給額はあくまでも「額面」であり、ここから社会保険料や税金が天引きされることには注意しましょう。 毎年6月には「年金振込通知書」が送られるため、こちらの通知書で実際の振込額を確認することが大切です。 また、何度も繰り返しますがこれは「2ヶ月分」の金額です。30万円と聞くと高額に思えますが、月額にすると手取りが15万円弱になるのです。 現役時代に43万9000円を稼いでいたことを考えると、生活費をダウンサイジングしないといけないでしょう。 なお、2024年度の年金も改定が行われ、2.7%の増額となりました。こちらの初回支給日は6月14日(金)となっています。