阪神とオリックスのリーグ優勝の共通点は投手力の充実と指揮官の名采配に尽きる。G阿部監督は思いどおりにやってもらいたい【張本勲の喝!!】
指揮官の決断
パ・リーグ3連覇の偉業を成し遂げたオリックスの中嶋監督[写真=太田裕史]
クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージが終了し、本誌が発売されるころはファイナルステージが始まっているはずだ。リーグ優勝を果たした阪神とオリックスの登場となる。ファーストステージを勝ち上がって勢いに乗って挑めるチームとは逆に、実戦感覚の開きが気になるところだが、そこはしっかりと準備しているだろう。どちらのチームも抜かりはないはずだ。 前号の繰り返しになるが、私はやはり阪神とオリックスがファイナルステージを勝ち上がり、日本シリーズで戦うのがあるべき姿だと考えている。おそらく多くの人がそう思っているはずだし、特に今年は両チームとも大差で優勝したから、なおさらだ。阪神とオリックスの日本シリーズ対決は、長いプロ野球の歴史の中でも初めてということだから、この関西対決も興味深い。 今回はあらためて両チームについて優勝できた要因を書いていきたい。まずは阪神からだが、ここはもともと投手力は高く、その投手陣を岡田彰布監督がしっかりと機能させたことだ。先発、リリーフ陣の質、量ともに豊富であり、それぞれの役割をきっちりと明確化させていた。岡田監督はあやふやな指示をしないから、特にリリーフ陣は適材適所で力を発揮できたと思う。 野手では一塁に大山悠輔、三塁に佐藤輝明と主力2人のポジションを固定させたことが大きい。クリーンアップを任せるような打者のポジションをコロコロと変えていては、選手もそうだが、チームも落ち着いて戦うことはできないという岡田監督の意見には、私も賛成だ。 しかし6月下旬に、その佐藤輝を二軍に落としたことがあった。5月は好調を維持していたものの、6月に入ってバットが湿り、練習や試合に取り組む姿勢などからも判断しての降格だった。普通の監督なら打順を下げて復調を待つだろう。佐藤輝は主力であり、人気もある。ベンチも気を遣うところだ。しかし岡田監督の決断は・・・
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週刊ベースボール