米不足と価格高騰はなぜ起きた?「令和の米騒動」の原因とは
令和6年になり、お米がなかなか入手できなくなったと感じている方もいるでしょう。 特に、8月ごろには地震の影響などにより販売数が急増し、販売制限を設けているところもありました。もしお米が足りなければ、使用するお米の量を減らすといった工夫が必要です。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証 今回は、米不足が発生した要因やいつ終わるのか、お米の節約方法などについてご紹介します。
なぜお米は不足している?
米不足は複数の要因が重なった結果だと考えられています。最初の理由は、お米作り農家の減少と前年度の米の不作が挙げられます。 農林水産省「令和5年産水陸稲の収穫量」によると、令和5年産の水稲の作付面積は令和4年産よりも1万1000ヘクタール減少しました。作付面積の減少は、お米作りをする農家の方が減ったことを意味します。 令和5年は収穫量も減少しました。同調査によると、日照りの影響などにより令和5年度の収穫量は716万5000トンで、令和4年よりも10万4000トン少ない結果です。 中でも、主食用のお米の収穫量は661万トンで令和4年よりも9万1000トン減少しているようです。さらに、令和6年の夏には災害などの影響により販売数量が多くなっています。農林水産省の「米に関するマンスリーレポート(令和6年9月号)」によると、スーパーにおけるお米の販売数量は令和6年4月ごろまでは令和4年や令和5年と同様の動きをしていました。 しかし、5月ごろから販売数量が伸び始め、令和6年8月19日~25日の期間では前年比48.6%の増加です。これは、8月に南海トラフ巨大地震の臨時情報が出されたり、同月に地震や台風が発生したりしたことで、消費者がお米の買いだめを行ったことが要因のひとつと考えられます。 収穫数が減っているにもかかわらず、夏の災害などを理由に需要が急増したため、米不足が発生したといえるでしょう。 なお、価格もここ数年で上昇しており、相対取引価格が令和3年ではお米60キロあたり1万2804円でしたが、令和5年には60キロあたり1万5313円になりました。1キロあたりの金額で計算すると、令和3年では約213円だったのに対し、令和5年では約255円です。