40歳以上の66.7%もの人が悩まされている「夜間頻尿」の知っておきたい3つの“傾向と対策”
なお、就寝前の「水やアルコールの飲みすぎ」も、夜間多尿の原因になります。さらに「糖尿病、高血圧、心不全などの病気がある」ことも、原因の1つになります。 ■加齢で低下する、ふくらはぎの「ポンプ機能」 原因②下半身にたまった水分が、うまく排出されない 「足のむくみ」があるなら、それが夜間多尿につながっている可能性があります。本来、ふくらはぎには心臓と同じような“ポンプ作用”があります。ポンプ作用により、下半身の水分が上半身に戻され、水分は体内を循環するのです。
ところが運動不足や加齢で、ふくらはぎのポンプ機能が落ちることがあります。すると、体を起こしている昼間に、本来は尿として排出されるはずの水分が下半身にたまったままになります。そして夜、体を横たえると、たまった水分が上半身に戻ってくるため、心臓が「水分が余っている」と判断して、それが尿になってしまうのです。 特に出産した女性や妊娠中の女性は、リンパ液や血液の流れが悪くなるので、この現象が起きやすくなります。
原因③「睡眠時無呼吸症候群」の可能性 睡眠障害のなかで最も注意すべきは「睡眠時無呼吸症候群」です。ほうっておくと心不全、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、ED(勃起障害)などの病気を誘発することもあります。実は、夜中に3~4回目が覚めてトイレに行くのは睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状でもあります。 夜間頻尿は、ほうっておくとやっかいな症状ですが、ほとんどはよくなります。具体的な対策としては、水分のとりすぎを避け、水分摂取のタイミングを適切にすること、足のむくみを取ることなどの生活改善が有効です。
ただし、夜間頻尿の原因が、高血圧などの持病にあることもあります。ごくまれですが、抗利尿ホルモンの作用システムが壊れて、夜に薄い尿がたくさん出る病気もあります。また、生まれつき抗利尿ホルモンの分泌が悪い病気もあります。セルフケアで改善しない場合、このようなケースも考えられるので、泌尿器科を受診してください。 ■女性に多い「腹圧性尿失禁」 物を持ったとき、咳やくしゃみをしたとき、笑ったとき。このような、お腹に力が入ったときに起こる尿もれは「腹圧性尿失禁」と呼ばれます。