「スパイラル」休止に思う 元五輪スケルトン代表・中山英子
「存続」に向け競技団体が一丸で再考を
年間2か月を半分に削ってもいいから、どの期間にどのくらいオープンするのが選手強化や育成につなげられるのか、そして一般の人に楽しんでもらう大会の機会を積極的に増やすには何をすべきかなど、計画を洗いざらい立て直し、可能性を探ることはできないのか。もう一度考え直すことはできないのだろうか。 2026年以降の札幌冬季五輪招致に再び乗り出す方針も決まっている。この五輪に向けての取り組みとの関連で、国内で滑走できるコースを札幌まで何とかつなごうとの軸をぶらさずに競技団体が一丸となって考え直していく。それが国内唯一のそりの練習場の存続に向けて残された最後の道だと思う。 東京五輪を目前に控えた今、競技施設の在り方についての議論が活発になされている。「スパイラル」を建設した20年前からは競技施設やスポーツをとりまく環境も変化し、スポーツビジネスとして成長、需要も大きくなっている。このような機運を生かし、競技連盟は専門家や各方面の知恵を借り、スパイラルの“結氷”を再考した上で結論を出していってほしいと切に願う。
----------------------------------- ■中山英子(なかやま・えいこ) 2011年まで信濃毎日新聞記者(運動部、文化部ほか)。在職中、ソルトレークシティー五輪、トリノ五輪にスケルトン女子日本代表選手として出場。2016年12月全日本選手権3位をもって競技の一線を退く。松本市在住