【インタビュー】日本ハム・鈴木健矢 サブマリンの見る景色「野球はすべてタイミング。アンダースローは、それがずらしやすい」
「ずらす」ために
日本ハム・鈴木健矢[投手/4年目]
指揮官の助言もあり、サブマリンに生まれ変わって1年。自身も想像できなかった飛躍のシーズンとなっている。球界でも希少なアンダースローからの視界は、今はゆがみなく、真っすぐ、正面から見えている。 取材・構成=杉浦多夢 写真=毛受亮介、高原由佳、BBM ※成績・情報は7月9日現在 アンダースロー転向1年目の昨季は初勝利初ホールド、4試合の先発機会も得た。迎えた今季、開幕先発ローテ入りは逃したものの、楽天との開幕第2戦では新球場エスコンフィールド北海道での球団初勝利という勲章を手にし、4月下旬からは先発ローテに定着。すでに6勝を挙げるなど確かな成長の跡を見せている。 ――今シーズンのここまでの活躍をどう振り返りますか。 鈴木 自分の中でもシーズン前は想像していなかったような結果が出ていますし、正直ちょっと出来過ぎかな、という感じなんですけど。ただ、最近は対戦相手も研究してきているというか、対策を練ってきている感じがします。各チームと一通り対戦はしてきたので、さすがに相手も目線が慣れてきたというか、“壁”じゃないですけど、そこがもうひとつ自分の中で成長していかないといけない部分、成長ポイントかなと思います。 ――相手の慣れ以外で、研究されているなと感じる部分とは。 鈴木 研究というより対策ですかね。場面にもよりますが、チームとして徹底してきているな、と感じることがあります。低めは打ち直しでいい、徹底して高めを狙ってくる、とか。あとは詰まらないように前でとらえようとしてくる、とか。これから長く続けていくためには克服していかなければならないですし、しっかり対応することができたらなと思います。 ――あらためて昨年までとの一番の変化はどんな部分でしょうか。 鈴木 昨年まではなかなか一軍にも入れない状況でしたし、とにかく今は投げられる喜びというのが一番大きいですね。中継ぎでも先発でも、役割を問わずに必要とされるところで仕事をしたいなと思います。ただ、先発であれば準備の仕方も気持ちの入れ方というのも変わってくる。1試合を最初から任せてもらうというのは、やっぱり1試合の重みというのをすごく感じます。 ――投球フォームも昨年からさらに固まってきたと話していました。 鈴木 確かに固まってきた部分はあります。精神的なものも含めて、本当に力むことがなくなってきたのが大きいですね。リラックスすることでリリースポイントも自然に落ちていきましたし、変なところに力が入らないので自分の体をしっかり扱えるようになって、コントロールも良くなりました。 ――オフには「世界一低いアンダースロー」と言われた渡辺俊介さん(元ロッテほか)に師事しました。そこで得たものも大きかったのでしょうか。 鈴木 やっぱり「力感なく、力を抜けば抜くほどいい」ということはアドバイスしてもらいました。ただ、最初は・・・
本文:5,441文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
週刊ベースボール