「心も体も異変に気づくのは『ある日、突然』 自分で管理し、備えていかないと」ジェーン・スー
作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。 【写真】この記事の写真をもっと見る * * * みなさん2024年も本当にお疲れさまでした。どんな年でしたか? いろいろあったけれど、私もあなたも、みんな1年間よく頑張りました。 24年は元日から能登半島で大きな地震があり、心から新年を祝う気持ちにはなれない幕開けでした。まだまだ復旧が進んでいない地域もあると聞きます。一日も早い復興のために、県には引き続きしっかりと仕事をしてほしいところです。 この原稿を書いているのは24年の年末ですが、25年は穏やかに幕を開けられるかしら。日本がこれからも地震大国であることに変わりはないのだから、地震をはじめ災害が起きたときに被害を最小限に抑えるための備えを、自治体ごとにしっかり行ってほしい。そんな当たり前のことでも、被災地以外に居住する私は、1年経って意識が薄れつつある。個人個人ができることは限られているけれど、年末の大掃除の際に、再び避難袋のなかを整理しなきゃ。 さて、24年も私はよく働きました。よく遊びもしました。大きな怪我も病気もせず、おおむね健やかに過ごせました。ありがたいことに、25年も忙しくなりそうです。 ここでふと、思うわけです。自然災害に見舞われるのは常に突然であるのと同じく、自分の心や体に変化が起きるのも突然なのだと。少なくとも、異変に気づくのは「ある日、突然」。日々慌ただしく過ごすAERA読者や私の世代は特にそうでしょう。 50歳を過ぎてから、身近な人の訃報を頻繁に耳にするようになりました。「まさか!まだ若いのに」という声が漏れるばかりの年でもありました。元気モリモリが服を着て歩いているようだった人が、いまは大病を患っているという話もよく耳にしました。 自分の体に、備えを万全にしてくれる自治体はありません。自分で管理し、備えていかなくてはならない。10年以上逃げ回っていた健康診断を23年から受け始め、24年も大きな問題は見つからなかったものの、前回にはなかった血圧の上昇が認められました。加齢のせいと言えばその通りですが、つまり加齢が自らの健康を脅かす年齢になってきたということ。 25年は、とにもかくにも今まで以上に健康に気を使っていきたいと思っています。これまた1年過ぎるとその意識も薄れてしまうから、今から誕生月に人間ドックの予約を入れて気を引き締めます。 じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中。 ※AERA 2024年12月30日-2025年1月6日合併号
ジェーン・スー