悪性リンパ腫の完全寛解状態が続く…笠井信輔さんが訴える「昭和患者からの脱却」我慢は美徳でなく正直な思いを
フリーアナウンサーとして活躍する笠井信輔(かさい・しんすけ)さんは、2019年に「血液のがん」といわれる「悪性リンパ腫」と診断された。退院後も積極的に当時の経験を発信する笠井さんが最も伝えたいのは、病気だから我慢するのは当たり前という「昭和の患者」からの“脱却”だ。 【動画で見る】悪性リンパ腫の完全寛解状態が続く…笠井信輔さんが訴える「昭和患者からの脱却」我慢は美徳でなく正直な思いを
■人生の転機に「突然のがん宣告」
フリーアナウンサー笠井信輔さんは2024年4月、61歳の誕生日を迎えた。
フジテレビのアナウンサーとして、朝の情報番組「とくダネ!」などで活躍し、2019年にはフリーに転身。しかし、その直後に「血液のがん」といわれる悪性リンパ腫と診断された時、すでにステージ4まで進行していた。 笠井信輔さん: 「なんでこのタイミングでがんにならなきゃいけないんだっていう、絶望感でしたね」
人生の新たな一歩を踏み出した直後に、まさかの宣告。絶望する笠井さんを支えたのは、妻でフリーアナウンサーの茅原ますみさんだった。
妻・茅原ますみさん: 「何か現実感がないというか、そういうこともあるなという感じで。ショックとかそういうのではなくて、もうちょっとよく調べてみれば大丈夫なような気がした」
■死を覚悟するほどの辛い闘病生活でも発信続けた報道人としての「使命感」
ますみさんの勧めでセカンドオピニオンを求めても、診断はやはり「悪性リンパ腫」。つらい闘病生活が始まった。 笠井さん(2019年12月31日): 「大晦日になりました、今年もあと一日です。胃痛がちょっと続いていますけれども、新しいお薬によってだんだん緩和されつつもありますけど」
笠井さんは抗がん剤の副作用で髪は抜け落ち、変わり果てた姿に。 笠井さん: 「非常に体調が良くないです。倦怠感がひどくて」
死も覚悟したというが、それでも病気と向き合う自分の姿をインスタグラムやブログで発信を続けた。 そこには報道に携わるものとしての使命感があったという。 笠井さん: 「報道というのはすべてが間接報道なんです。震災、事故、事件の現場に行って、この時代において自分ががんになるのはこれは直接報道だと。自分の経験を語ることがもうこれは報道になると認識して、この経験をやっぱり伝えていかなければいけない」