米利下げの確信得るまで強気の賭け手控え-痛手続きの債券トレーダー
デリバティブ(金融派生商品)トレーダーは主要政策金利のフェデラルファンド(FF)金利に関し、向こう3年程度のうちに4%をわずかに下回る水準で推移する状況を想定。これは金融当局者がFF金利の長期見通しとしている2.6%(中央値)を大幅に上回る。
ボストン連銀のコリンズ総裁は12日のインタビューで、金利が長期的に以前よりも高くなっている「可能性がある」と述べるとともに、系統立てて解明するためチームを組んでこの問題に取り組んでいるとし、「重要な疑問点であり重点的に対応する」と語った。
なお、パウエル議長をはじめとする当局者は、政治的に偏っていると受け止められぬよう、11月の米大統領選の少し前に少なくとも1回は利下げしたいと圧力を感じているのではないかと、ナットアライアンスのブレナー氏はみる。しかし、力強い経済データの発表が続いて状況は複雑化しており、「パウエル議長は緩和を望み、その論拠を探しているが、見つけられずにいる」と解説した。
市場関係者の中には既視感を指摘する声もある。DWSインベストメント・マネジメント・アメリカズの債券責任者、ジョージ・カトランボーン氏は「底堅いデータの発表が続く限り、米金融当局の政策金利の道筋についてさらに疑問が生じるだろう」とし、「リセッションも『着陸』もなしで現金保有という、2023年に戻ったように多少感じられる」とコメントした。
原題:Weary Bond Traders Adopt Show-Me Mode to Avoid More Losses (1)(抜粋)
--取材協力:Edward Bolingbroke.
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Liz Capo McCormick, Michael Mackenzie