「男女平等ではない」 東海道・山陽新幹線「女性専用トイレ」設置に賛否の声! 「男性客8割」説はどこまで本当なのか?
女性専用トイレ導入の背景
2024年12月13日、JR東海は東海道・山陽新幹線の車内に設置されている男女共用トイレの半数を順次女性専用に変更すると発表した。 【画像】「えぇぇぇぇ! 男湯が見えそう!?」問題、あなたはOK? 調査結果を画像で見る!(7枚) この決定の背景には、次の2点が挙げられる。 ・観光やビジネスを含む女性利用者の増加 ・女性専用トイレの設置を求める声の高まり 2025年3月15日のダイヤ改正までに、変更は完了する予定である。 16両編成の車両では、奇数号車(1・3・5・7・9・13・15号車)の男女共用トイレのうち1か所を女性専用に転換する。なお、11号車に設置されている多目的トイレは変更されない。今後、1編成のトイレは、 ・男女共用:9か所 ・女性専用:7か所 ・男性用(小用):7か所 となる。女性専用トイレには、ピンク色の識別帯やピクトグラム、案内シールを設置し、視覚的に区別しやすくする。便座は常に下げた状態で提供される。JR東海の担当者は、 「男性が入ったお手洗いで便座に座ることに抵抗感を示すお客様もいるのではないか。女性のお客様に快適にご利用いただきたい」 とコメントしている(2024年12月13日付『朝日新聞デジタル』)。 この変更に対して、ネット上では賛否が分かれている。
筆者の意見
筆者(才田怜、ジェンダー研究家)は、女性専用トイレに賛成の立場を取っている。自身も女性利用者として、新幹線で男女共用トイレしかない状況に「しんどい」と感じており、東北新幹線などで女性専用トイレが設置されていると、安心感を抱いていた。 新幹線に限らず、電車の共用トイレには清潔感に欠けるものが多く、床が濡れていたり、使用に抵抗を感じることが少なくない。特に、手洗い場から水分が漏れ出すような状態では、非常に不快に思うことが多い。 今回の女性専用トイレ導入に関するニュースにおいても、ネット上のコメントのなかには床の水浸し状態について言及するものが目立った。 また、便座を下げることに対する衛生面での心理的負担が大きかったが、女性専用トイレではその負担がなくなることに喜びを感じているという。 共用トイレについては、セキュリティ面に不安を感じる利用者も多く、女性専用トイレであれば盗撮などのリスクが減るとの声も上がっている。 産経新聞によると、女性の利用客の割合は半数近くに達しており(2024年12月14日)、女性専用トイレの設置後も車内トイレ全体の約3割を占めるに過ぎないため、女性優遇とはいえない。