解体撤去騒動で話題の国立市マンション、目の前の道路は富士山の「山アテ道路」だった! 偶然ではない山まで続く直線道路の魅力とは?
北海道は山アテ道路だらけ! 理由は?
北海道といえば「天まで続く道」のような、直線的な道路を思い浮かべるのではないだろうか。北海道らしい風景ともいえるだろう。例えば、「天まで続く道」を構成する国道334号は、海別岳(斜里町)にアテた山アテ道路である。また、蝦夷富士といわれる羊蹄山は、国道276号、国道5号、その他、町道など、6路線の「山アテ道路」である。この他、国道、道道、市町村道など、道路の延長の長短や、山の標高の高低に関わらず、都市部から地方部までいたるところに山アテ道路がつくられている。 なぜ、あちこちに山アテ道路があるのか。その答えは北海道の開拓史にある。 北海道の開拓を進めるために、道路整備の必要性に迫られた明治時代。当然だが、測量技術も発達していない頃のことだ。道路は直線であればあるほど設計・建設しやすく、その後、土地を区画するにも利便性が高いことから、技術者たちはできる限り直線の道路を考えた。未開の地にあって、家も畑もほとんどなく、直線道路をつくるのに阻むものは河川くらいであった。 ある意味、簡単に設計・建設できる直線の道路を作り放題だったわけだが、結果的には北海道らしい道路景観を生み出したのだろう。 日本各地に存在する山アテ道路。地域の歴史や文化を背景にできあがった美しい道路は、もしかしたら生まれ育った町や、住んでいる町、そう、もしかしたら目の前にあるかもしれない。
文=KURU KURA編集部