「同期のアイツの方が出世が早い」→住職の教え「嫉妬の反対語は…」が納得感しかなかった!
だからといって黒帯の昇段試験に情状酌量はありませんので、やはり戦いになると先輩たちに敵わず、何度も何度も倒されてしまっていました。 それでも、16年目のその昇段試験では最後まで闘う姿勢が崩れませんでした。 小さいときからいじめられっ子だったYくんは、強くなりたいと思って空手道場に入り、長い年月をかけて黒帯を手にしたわけです。 本人も泣きながら喜んでいましたが、道場の仲間も同じように一緒になって喜びました。 試合でもなかなか勝てず、後輩たちにも追い抜かれる状況にありながら、Yくんはつねに他人の成功を一緒になって喜べる人でした。 だからこそ、周りの誰からも好かれ、心から応援されたのだと思います。 ● 「いいなぁ」と思ったら自問すべし 「それは本当にほしいものか?」 そうはいっても他人の成功を喜ぶことはなかなか難しい……と思ってしまう方には、それ以外の対処法もお伝えしておきたいと思います。 ひとつは、競い合わないで済む人間関係をつくることです。 年の離れた人、まったく違う業界の知り合いなど、ふだんの自分の生活とは関係のない場所で出会った人や、属性が異なる人であれば、比較したり、競争したりするところがあまりないため、フラットな気持ちで付き合うことができるでしょう。
誰かに対して「いいなぁ」と思ってしまうのはしょうがないことですし、それ自体がダメなわけではありません。けれども、そこから「どうしてあの人ばっかり!」「自分のほうが……」などといった黒い気持ちに呑まれないことが大切なのです。 「いいなぁ。でも、私は私で頑張ろう」と、自分とは切り離して、切り替えて考えられるようにできれば、苦しい気持ちにとらわれることは減っていくでしょう。 また一方で、「いいなぁ」と感じてしまうことは、「本当に自分が求めているものなのか?」を自問自答してみるのも良いと思います。 例えば、毎日たくさんの人に囲まれて食事や遊びを楽しんでいる人や、高価なブランド品に囲まれている人。「たくさんの友達がいる人は優れている」「高価なブランド品を持つのは成功している証だ」などといった、世間の価値観に惑わされていないでしょうか。 よくよく考えてみたら、あなた自身はひとりで静かに過ごすほうが好きだったり、高価なブランド品よりも自分が本当に気に入るものを探すほうが好きだったりするかもしれません。 自分の心を見つめ、「自分が本当に大切にしたいものはなにか?」を考えてみると、苦しい嫉妬の感情がじつは「錯覚」だったことに気がつけるでしょう。
大愚元勝