新番付表を手にしこ名を指さす朝紅龍（撮影・鬼束羽瑠菜）

　日本相撲協会は28日、大相撲九州場所（11月10日初日、福岡国際センター）の新番付を発表した。高砂部屋の朝紅龍（26）が、東前頭17枚目で新入幕に昇進。福岡市内の部屋で喜びを語った。 　先場所は東十両8枚目で11勝4敗。幕内に上がれるか、微妙な星勘定だった。朝紅龍も「期待していなかったが、まさか上がれるとは思っていなかった。驚きと喜び半分半分です」と正直な思いを語った。 　入門から3年半での入幕。「自分を知っている人からみれば長かったんじゃないかと。昔のことより先のことの方が大事。入門する前の威勢を考えれば遅かったと思うが、そんな甘い世界じゃないんで」と話す。課題も理解している。「自分の悪い癖、終盤になると雑になるところがなかった。精神面は、これからの課題になります。前に出る相撲が多かった。これからも築いていかなければいけない」と具体的に言った。 　元関脇朝赤龍の高砂親方にとって、師匠になって初めての新入幕力士。「うれしいがこれからが大事と思う。攻める相撲が魅力。一気に持っていくうまさがある。今の相撲を鍛えていけばいいと思っている。（先場所は）終盤に気が抜けるのはその通り。そういうことがないように勉強してもらいたい」と課題も掲げた。 　場所の終盤に気を抜く悪癖があるといい、座右の銘は「謙虚」と言い、スマホの待ち受け画面も「謙虚」の2文字にする。「ビッグマウス的なこと言いたいが、『謙虚』という言葉を自分の中に入れているので」と表情を引き締めた。 　今場所の目標に「前に出る相撲ですね。前に出れば結果も出ると思う。（三賞は）勝っていけば欲も出るんじゃないでしょうか」。謙虚に徹して、白星を積み重ねていく。 　◆朝紅龍琢馬（あさこうりゅう・たくま）本名・石崎拓馬。1998年（平10）9月24日生まれ、大阪・四條畷市出身。中学から明徳義塾で日体大に進学。新大関の大の里の1学年先輩。21年夏場所、三段目100枚目格付け出しで初土俵。23年秋場所新十両。177センチ、122キロ。得意は押し、右四つ、寄り。好きな食べ物は鶏胸肉、焼き肉、うなぎ。趣味は筋トレ。弟の石崎涼馬は東幕下22枚目。